研究課題/領域番号 |
25289066
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
新井 泰彦 関西大学, システム理工学部, 教授 (80131415)
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研究分担者 |
多川 則男 関西大学, システム理工学部, 教授 (50298840)
青柳 誠司 関西大学, システム理工学部, 教授 (30202493)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 電子顕微鏡 / 元素分析 / 三次元形状計測 |
研究概要 |
光学技術として培われた縞解析技術を基礎に,光を電子線に置き換えることによって,MEMS等の微小三次元構造物の非接触形状計測が10μm以下の分解能をもって実現されている. 本取り組みにおいて重要な課題は,上記技術への元素分析装置の導入であり,さらに新しい装置と三次元形状技術との融合である.本年度助成金により元素分析装置が計画どおりに導入され,メーカとの連携ですでに元素分析装置は稼働している.また,三次元形状計測装置はすでに稼働し実績を上げている. 第一段階として,計画されていた個別動作はすでに実現され,形状計測結果と元素分析との測定が個別ではあるものの表示可能な状況を実現している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
以下の理由よりおおよそ計画どおりに研究が進展しているものと考えている. 1)申請段階からすでに,元素分析装置メーカの技術者との連携で,導入すべき装置が絞り込まれていたので,目的に沿った元素分析装置の導入が円滑に行うことができた.そのために,当初懸念していた電子顕微鏡と元素分析装置との融合による不具合は若干のそれぞれの装置間の干渉が発生するにとどめた状況でほぼ発生することなく装置を構成することができた点が挙げられる. 2)既に個々の装置は稼働し,個別ではあるものの形状計測と元素分析とがそれぞれに測定可能となっている. 3)電子顕微鏡から得られる三次元形状結果と元素分析結果とのデーターの受け渡しについて,装置メーカから詳細な資料が得られ,次のステップとしてのソフトウェア製作の準備がほぼ終了している点も大きな成果であると考えている.
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今後の研究の推進方策 |
現状で,既に個々の装置は稼働し,個別ではあるものの測定対象の形状計測と元素分析とがそれぞれに測定可能となっている.さらに,電子顕微鏡から得られる三次元形状結果と元素分析結果とのデーターに関する詳細な資料が得られていることより,ソフトウェア製作の準備がほぼ終了しているものといえる状況にある.次のステップとして計画調書に示したように,ソフトウェア製作に入る.また,並行して,幾分傷んだベアリング表面,さらに,簡単な構造の半導体回路をモデルとして,データー収集し,本システムのより効率の高い利用法に関する検討を行う予定である.また,三次元形状計測を実施するための物理的な格子の製作をシリコンプロセスのみならず,新たに研究グループ内に導入された超高精度光造形装置によって,作製する取り組みも行うことを検討する.
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次年度の研究費の使用計画 |
計画に従いおおよその施設整備,物品の購入を助成によって行うことができた.その際,電子顕微鏡並びに元素解析装置の製造メーカとの情報交換を密に行うことにより,電子顕微鏡のチャンバー改造がおおよそ不要になり,今後,測定対象の計測に用いる光学素子の購入に充てたものの,42898円の余剰が発生し,次年度に繰り越すこととなった.したがって,余剰金の発生により本来の計画に何ら支障は生じていない. 申請時の計画に従い,次年度は三次元形状計測結果並びに元素分析結果の表示システムの検討を行う.この過程において,本システムの測定の利用範囲を拡大させる目的として,現在測定対象としている半導体素子からさらに,いくつかの金属材料の破壊を対象とした場合,ベアリングボールの摩耗を対象とした場合等にも表示可能なシステム開発を行う.この計画の実施のために,新たな測定対象としての被測定対象サンプルを試作する.さらに,より微細な格子を作製する.このサンプル作製と格子作製のための材料としての薬品・ウエハなどの消耗品費として補助金を有効に利用する予定である.
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