研究課題
モータの固定子巻線の鉄心端部分の電界緩和層の電界様相に関しては、複数のコイルバーを用意し、各種電圧波形下の電位分布を測定し、個体差の影響を排除した様相をとらえた。有限要素法との解析結果との比較を行い、解析手法の妥当性を確認した。平行して、部分放電開始電圧を微小発光計測結果をもとに明らかにした。放電開始電界は、高電界の維持時間の影響も受けるが、空気中において約600V/mm との知見を得た。これは室温大気圧空気中におけるコロナ開始電界の1/4程度の値である。残留電荷の影響を考慮しても、半分程度の電界値であり、表面のでこぼこによる電界集中、温度上昇によるガス密度変化の影響によると考えられる。前年度までに材料の温度、電界依存特性をも考慮した有限要素法による解析手法も確立してきた。電界緩和層の最適設計にあたり、低抵抗層、非線形抵抗層の物性値、形状をパラメータに解析を行っていくアプローチをとるのが自然であろう。低抵抗層と、非線形抵抗層でその印加電圧を分担させるにあたり、下記のことが必要となる。(1)いずれの部位においても600V/mmの上限を超えぬような境界条件を満足する。(2)温度上昇が両部位において同程度におさえられるような条件を見出していくべきである。なお、平行して、本年度においては、より高電圧が印加されたコイル端の測定にポッケルス電界センサを用いる手法を提案し、試作コイルを対象にその有用性を示すことに成功した。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of International Council on Electrical Engineering
巻: Vol.6, No.1 ページ: 36~42
10.1080/22348972. 2015.1115169
電気学会論文誌A [研究開発レター]
巻: Vol.136 No.6 ページ: 384~385
10.1541/ieejfms.136.384