研究課題
本研究の目的はサファイア基板全面に高品質半極性{20-2-1}面GaNを成長させ、{20-2-1}面自立GaN基板を得る結晶成長技術を開発することである。研究実施計画に従い、{20-2-1}面GaNの成長を以下の工程順で検討した。{22-43}面サファイア基板表面にc軸と直交する方向にストライプ状のトレンチを形成(工程①)。トレンチのc面近傍側壁を窒化(工程②)。窒化したサファイアのc面近傍側壁から-c面GaNを成長(工程③)。{20-2-1}面GaNをサファイア基板全面に成長(工程④)。昨年度までに、{20-2-1}面GaNがサファイア基板上に成長できたことはX線回折で確認した。しかしながら、結晶品質が{20-21}面GaNに比べて劣る結果となった。本年度は工程②及び③を省略し、トレンチのc面近傍側壁より低温バッファ層を介して+c面GaNを成長することで、サファイア基板表面に{20-21}面GaNを成長した(工程⑤)。次に、HVPEによる厚膜成長及び研磨加工を実施して{20-21}面自立GaN基板を作製した(工程⑥)。更に、{20-21}面GaN基板の裏面[{20-2-1}面]上にHVPEによる厚膜成長を実施した(工程⑦)。HVPEの成長条件は、研究室の標準条件を使い、主に転位密度と基底面積層欠陥(BSF:Basal Stacking Fault)密度を評価した。その結果、{20-2-1}面GaNの転位密度の減少速度は{20-21}面GaNに比べて非常に大きく、c面GaNの転位密度の減少速度とほぼ同程度であることを初めて見出し、c面自立GaN基板と同程度の低転位密度化を達成した。一方、BSFに関しては{20-21}面GaNと同程度存在し、成長膜厚の増加とともに減少はしなかった。このように、課題は残しているものの、研究目的であるサファイア基板と同じ面積の半極性{20-2-1}面自立GaN基板を得る結晶成長技術を確立することができた。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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