研究課題
平成27年度ナノヘテロ構造型有機トランジスタの高度集積化とフレキシブルエレクトロニクスへの応用【概要とねらい】有機トランジスタは、有機半導体が大気不安定であるのに加えて、「絶縁膜や有機半導体の厚みの揺らぎ」、「キャリアトラップなどによる電荷密度の揺らぎ」のため、特性のばらつきが大きい(通常、電流ばらつき50%以上、閾値ばらつき30%以上)ことが知られている。そのため1000個を超えるトランジスタの高度集積化では論理回路が正しく動作しないことが課題であった。本研究で提案してきた自己組織化されたナノヘテロ構造は、絶縁膜と有機半導体膜を一分子長で同時に自己形成し、各層の厚みの揺らぎ、およびキャリアトラップの無いチャネル層の形成を行うことが可能である。そのため、従来から課題とされてきた特性ばらつきを大幅に低減することができると期待される。さらに、キャリアの伝導層となる絶縁膜・半導体界面が化学結合されているため、機械的な特性にも優れていることが予想されてきた。本研究の最終年度において、この二つの実証を目標に取り組んできた。具体的には、ナノヘテロ構造型有機トランジスタの大規模集積化を行い、論理回路(リングオシレータ、シフトレジスタなど)の動作速度、論理正当性を通して、動作の安定性を実証する試みを進めてきた。さらにナノヘテロ構造型有機トランジスタの折り曲げ試験を行い、歪が導入されたナノヘテロ界面のキャリア伝導機構にも注目し、その歪み効果の詳細な検討を進めてきた。この融合を通して、ナノヘテロ構造型有機トランジスタのフレキシブルエレクトロニクスの実用化を検討するなど、基盤技術の構築から応用までの研究を行ってきた。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Nature Communications
巻: 7 ページ: 11425
10.1038/10.1038/NCOMMS11425