半導体中の局在準位を用いた電荷の高精度転送を実現するために、その素過程を調べ以下の結果を得た。まず、電子正孔再結合過程を実時間で観測できる手法を確立し、捕獲断面積などの情報を抽出することに成功した。また、単一界面欠陥の再結合過程を調べ、2電子再結合が生じていることを見出した。この結果は、チャージポンピング法の基礎をなす電荷再結合のメカニズムが、SRH理論では記述できないことを強く示唆している。さらに、シリコン中の浅い準位を有するドナーのスピン状態を電子スピン共鳴法を用いて調べ、砒素のみ、常磁性化していないことを示唆する結果を得た。
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