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2014 年度 実績報告書

Si単一電子トランジスタを利用したバイオセンサー

研究課題

研究課題/領域番号 25289103
研究機関広島大学

研究代表者

中島 安理  広島大学, ナノデバイス・バイオ融合科学研究所, 准教授 (70304459)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードバイオデバイス / バイオセンサー / 単一電子トランジスタ / DNA
研究実績の概要

本研究においては、健康で快適な社会の形成のためのバイオ物質の高感度特異的検出技術として、単一電子トランジスタを利用したバイオ検出技術を開発し、実際の医療現場で使用される分子に適用し実用化への展開を図る事を目的としている。平成26年度は、ターゲット分子としてDNAを選択し、Si単一電子トランジスタを利用したDNAの塩基配列の高信頼性検出を行う事を計画した。このため、以下の事項を行った。
まず、DNA検出に適したゲート絶縁膜の表面修飾の検討・実験を行った。まずゲート絶縁膜であるSi窒化膜表面上のOH基にAPTESを結合させて表面をNH2基を導入する。次にアルデヒド基を導入するためにGlutaraldehydeをアミノ基に結合させる。この表面にプローブDNAを含むNaBH3CNを浸漬する。この方法により、ゲート絶縁膜表面にプローブDNAを修飾する事に成功した。
次に、バイオセンサーに用いるSi単一電子トランジスタの作製を行った。今回、電子線リソグラフィーには私のグループとしては初めてエリオニクス製電子線描画装置を使用した。このためにチャネル部分のドットと細線の描画条件出しを行った。今回、描画後のドライエッチングにおいて良好な結果が得られず、チャネル部分の断線してしまった。平成27年度に再度作製を行う予定である。
チャネル部分のドットと細線のサイズを再現性よく小さくするために今回、エリオニクス製の電子線描画装置を用いたが、これと平行してレジストの高解像度化も検討している。具体的にはレジストにフラーレンを混合する事で高解像度化が得られるかを検討した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成26年度は、ターゲット分子としてDNAを選択し、Si単一電子トランジスタを利用したDNAの塩基配列の高信頼性検出を行う事を計画した。プローブDNAの表面修飾には成功したが、室温で動作するSi単一電子トランジスタの作製は、チャネルのドライエッチングのプロセスで断線した。従って、計画であるDNAの塩基配列の高信頼性検出まで到達できなかった。以上を考慮して、区分を(3)やや遅れているとした。

今後の研究の推進方策

今後の研究の推進方策としては、高感度レジストの採用も含めてSi単一電子トランジスタのチャネル部分の電子線描画条件およびエッチング条件の最適化を行い、再度Si単一電子トランジスタの作製を行いバイオセンサーに適用する。
クーロン島のサイズとしては10nm以下を目指し、バイオ物質の検出感度のクーロン島の数依存性について調べる。また電子線リソグラフィーで作製した10nm以下のサイズクーロン島と同様のサイズでサイズ揺らぎの無い分子等をクーロン島とした場合の比較実験の可能性も探る。

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公開日: 2016-06-01  

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