研究課題
本研究では、10nm以下の領域へのドーピングを実現し、次世代デバイスに適応可能な決定論的ドーピング法の確立を第1の目的とし、単一ドーパントデバイスの量子物性制御を第2の目的としている。単一ドーパントの3次元規則配列が最終目標である。H28年度は、以下の研究項目に取り組んだ。研究項目1「10nm以下の領域への単一ドーパントドーピングプロセスモジュールの開発」:Si中に局所的に注入されたイオンの分布についてアトムプローブで実験的に評価をした。アトムプローブでの3次元再構成を丁寧に行い、信頼あるイオンの分布を得た。その分布の深さ方向および面内方向の広がりについて、シュミレーション結果との比較を行い、ほぼコンシステントであり、イオン注入の空間精度の確認をし、決定論的ドーピング法の信頼性を高めた。研究項目2「単一ドーパントシリコンデバイス量子輸送」:単一ドーパントが作る量子準位に基づくSi中の量子的電子輸送特性解析のため、チャネル中にErイオンとOイオンを同時に注入し、光励起電流特性を計測した。Er 準位を介して光が吸収され、光励起電流としてチャネルを流れたことを初めて確認した。研究項目3「単一ドーパントシリコン-空孔ダイヤモンド量子発光」:電子線リソグラフィを用いて、ダイヤモンド上のレジストマスクに直径 約10 nm の ナノホール配列を形成し、マスクを介して低エネルギー窒素イオン注入を行い、水素原子核スピン検出が可能か検証した。共焦点レーザー走 査型蛍光顕微鏡(CFM)を用いて、NV-センターの特性を評価したところ、水素の核スピンに由来するピークの観測に成功した。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2017 2016 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 学会発表 (13件) (うち国際学会 3件、 招待講演 3件)