研究実績の概要 |
平成26年度の本研究課題に関する研究実績を下記の通り報告する。新しい研究として、状態遷移グラフにより定義される書き込み系に対する書き込み容量を吟味する研究を開始した。書き込み容量は、任意の有向グラフに対して定義される量であり、その評価はわれわれが``Subgraph domatic problem''と呼ぶ組み合わせ最適化問題の解くことが求められる。本問題に関して、26年度中にわれわれは、いくつかの理論的な結果を得ることができた。確率的手法における重要な技法として知られるロヴァースの局所補題を利用した密グラフの書き込み容量の評価に関する仕事は、本年のISIT2015に採録されている:T.Wadayama, T. Izumi, and H. Ono, “Subgraph Domatic Problem and Writing Capacity of Memory Devices with Restricted State Transitions,” to apper, IEEE ISIT2015: 情報理論と理論計算機科学にまたがる課題について、確率的手法を応用して得られたこの結果は、本プロジェクトの成果として相応しいものであると考えている。また、ファクターグラフにおけるホログラフィック変換の新しい応用として、グループテストの文脈で新しい双対公式を導くことに成功した。この双対公式は、グループテストにおける事後確率計算の高速化に寄与できる可能性もあり、理論的のみならず工学的な見地からも興味深い結果であると考えている。その成果の一部もISIT2015の採録が決まっている:Tadashi Wadayama, Taisuke Izumi, and Kazushi Mimura, “Bitwise MAP Estimation for Group Testing based on Holographic Transformation,” to appear, IEEE ISIT2015:
|