研究課題/領域番号 |
25289116
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研究機関 | 東京都市大学 |
研究代表者 |
佐和橋 衛 東京都市大学, 知識工学部, 教授 (50449287)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 移動通信 / マルチアクセス / MIMOチャネル伝送 / チャネル推定 / 適応リンク制御 / ターボ干渉キャンセラ / 制御情報 / セルサーチ |
研究実績の概要 |
1.高効率マルチアクセス (1)Orthogonal Frequency Division Multiplexing (OFDM)/Offset Quadrature Amplitude Modulation (OQAM)を用いるFaster-than-Nyquist (FTN)において,受信ダイバーシチが目標平均ブロック誤り率(BLER: Block Error Rate)を満たすための所要平均受信信号電力対雑音電力費(SNR)の低減に有効であることを示した.また,時間分割多重(TDM)ベースの参照信号(RS: Reference Signal)多重を提案し,高精度チャネル推定特性を示した.(2)LTE下りリンクの制御チャネル(EPDCCH: Enhanced Physical Downlink Control Channel)に復調用RSに加えて,下りリンクの制御情報を用いる判定帰還チャネル推定(DFCE: Decision-Feedback Channel Estimation)を用いた場合のBLERを評価した. 2.高効率Multiple-Input Multiple-Output (MIMO)多重 OFDM-MIMO多重において相互情報量に基づく受信SNRとBLERのマッピングを用いる適応変調・チャネル符号化(AMC: Adaptive Modulation and Coding)におけるアウターループ制御の効果を示した. 3.ヘテロジーニアスネットワークにおける高速セルサーチ (1)LTEの同期信号構成を用いた場合のヘテロジーニアスネットワークに適した小セルクラスタ固有の第1同期信号(PSS: Primary Synchronization Signal)系列割り当て,及び小セル固有の第2同期信号(SSS: Secondary Synchronization Signal)系列割り当てのセルサーチ時間特性を評価した.(2)マクロセルと小セルが同一の周波数スペクトルを用いるヘテロジーニアスネットワークにおいてPSS及びSSSにPrecoding Vector Switching (PVS)送信ダイバーシチを用いたときのセルサーチ時間特性を評価した.(3)マクロセルと小セルが異なる周波数スペクトルを用いるヘテロジーニアスネットワークにおいて,ユーザ端末の基準発振器の周波数誤差に起因する周波数オフセットの推定値に基づく高速セルサーチ法を提案し,セルサーチ時間特性を評価した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Faster-than-Nyquist (FTN),及びヘテロジーニアスネットワークにおけるセルサーチ特性評価の計算機シミュレーションプログラムを完成し,提案方法の効果を示す特性の評価成果を国内外の学会に投稿することができた.
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今後の研究の推進方策 |
Faster-than-Nyquist (FTN)を用いる非直交マルチアクセスとMIMO多重を組み合わせてピーク周波数利用効率を向上する方法を確立する.この場合に必須となるターボ干渉キャンセラ,及び高精度伝送路推定を実現する繰り返しチャネル推定法の特性を評価し,設計手法を確立する.また,3rd Generation Partnership Project (3GPP)で規定されているヘテロジーニアスネットワークの各種シナリオにおける待ち受け時セルサーチ時間特性を明らかにする.
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次年度使用額が生じた理由 |
学術論文の投稿時期が遅れたため,論文掲載費用の支払いが次年度になってしまったため.
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次年度使用額の使用計画 |
学術論文の掲載料の支出に用いる.
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