研究課題/領域番号 |
25289117
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 公益財団法人名古屋産業科学研究所 |
研究代表者 |
谷本 正幸 公益財団法人名古屋産業科学研究所, その他部局等, 研究員 (30109293)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 自由視点テレビ / FTV / 多視点 / 自由視点 / 画像合成 |
研究概要 |
自由視点テレビの国際標準化動向を調査しながら,多視点映像のワープによる画像生成方式を研究した。多視点映像を各カメラの時間方向に見るのではなく、同一時刻に撮影した多視点映像の各フレームをカメラの配置順に並べて再生すれば、移動するカメラで撮影した動画像とみなすことができる。このとき、実カメラの中間の位置での画像を生成すれば、動画像のフレームレートを増加させることになる。したがって、自由視点テレビにおける実カメラ間の画像生成は、多視点映像をカメラ順に並べた動画像の高フレーム化処理とみなすことができる。そこで、動画像のフレームレート変換で用いられている動きベクトル方式に基づく画像生成方式を研究した。隣接カメラ画像間の動きベクトルを求め、それを内分することにより参照画像をワープさせ、中間カメラ位置の画像を生成するアルゴリズムを作成した。MPEG国際標準化で用いられている多視点映像テストシーケンスに対して画像生成実験を行った。1/4、2/4、3/4に内分した位置の画像生成を行った結果、3/4の位置の生成画像が最も劣化した。そこで、多視点映像をカメラ順に並べるとき、正方向と逆方向に並べた2つの動画像を作り、各々に対して動きベクトル方式による画像生成を行い、2つの生成画像のうち、参照画像からの距離が近い画像を選択することとした。正方向と逆方向の距離が等しい1/2の位置では、2つの生成画像をブレンドした。このアルゴリズムにより様々な多視点映像テストシーケンスに対して画像生成実験を行った結果、MPEG国際標準化で採用されている奥行情報を用いる画像生成方式と同程度の生成画像を得た。本研究により、奥行き情報を用いることなく、参照画像のワープによる画像生成を行うことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
従来の奥行き情報を用いた射影変換に代わる画像生成方式として、フレームレート変換に基づく方式を開発することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の研究により、多視点画像中の2枚の画像を参照画像として中間視点の画像を生成する画像生成方式を開発できたので、今後は高性能化を目指し、より多くの多視点画像を参照画像とする画像生成方式を研究する。
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次年度の研究費の使用計画 |
年度末に予定していた出張が次年度に変更になったため。 次年度使用額は出張旅費として使用する。
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