研究課題/領域番号 |
25289118
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
萩原 学 千葉大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (80415728)
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研究分担者 |
AFFELDT Reynald 独立行政法人産業技術総合研究所, セキュアシステム研究部門, 研究員 (40415641)
葛岡 成晃 和歌山大学, システム工学部, 講師 (60452538)
笠井 健太 東京工業大学, 理工学研究科, 准教授 (70431997)
J Garrigue 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 准教授 (80273530)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 形式化 / 符号理論 |
研究実績の概要 |
H26年度の目標の一つ、sum-product復号の形式化に成功した。具体的には、「sum-product復号法の定義の形式化」、「木構造をもつタナーグラフ上のsum-product復号のもつMPM復号性定理の形式化」、「一時推定の正当化定理の形式化」、そして「行処理、列処理の正当化定理の形式化」ができた。 もう1つの目標である密度発展法の形式化については、まだ完成していない。その方向性として位置付けて研究した「空間結合符号のBEC上での通信路容量達成定理の証明の簡略化」は結果を得ている。 また、これまでに研究代表者と研究分担者で構築してきた情報理論・符号理論ライブラリを整理する過程において、可変長情報源符号化順定理と逆定理の形式化研究が成功した。 上記の研究成果の他、実績として、ワークショップ「TPP2014(Theorem proving and provers for reliable theory and implementations」を開催できた。主催は九州大大学IMIであり、本研究協力者の溝口氏が責任者となった。本科研費による開催のクレジットがワークショップのHPから確認できる。 そして、開催に伴い、形式化研究の世界トップ機関であるフランス国立情報学研究所(INRIA)の研究員Cyril Cohen氏を千葉大学に招へいし、また、TPPで招待講演を頂いた。千葉大学内で研究ミーティングを開催し、その後も、メール等で情報交換を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の目標は大きく分けて2つあり、sum-product復号アルゴリズムの正当化、密度発展法の形式化であった。前者は無事に達成できた。後者はまだ達成できていない。 一方で本研究の成果を整理する過程から、情報源符号化定理に関する形式化が実行でき、予想外に進んだ。 最終年度に予定していた研究集会開催をH26年度中に実行できた。 全体的に考慮すると、おおむね順調と言える。
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今後の研究の推進方策 |
密度発展法の形式化を中心に研究を進める。参考書籍としてModern Coding Theory (Cambridge Press, by Urbanke and Richardson)を予定している。書籍中の議論で数学的な記述と記法の再考が避けられないため、書籍中の3章の基礎的な事項から形式化に挑む必要がある。目標として、BEC版で通信路容量達成の定理まで遂行したい。 また、空間結合LDPC符号の定義の形式化も進める。そして、空間結合LDPC符号の通信路容量達成定理の形式化を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
全体予算170万円中の5万円未満であり、少額だったため、次年度と合わせて使用するほうが有意義に活用できると判断した。
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次年度使用額の使用計画 |
研究代表者・分担者・協力者で分けて配分する。一人当たり数千円程度であり、研究者の個別打ち合わせの旅費等に使用する。
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