研究課題/領域番号 |
25289148
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
岡村 未対 愛媛大学, 理工学研究科, 教授 (50251624)
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研究分担者 |
林 和幸 和歌山工業高等専門学校, 環境都市工学科, 准教授 (30587853)
安原 英明 愛媛大学, 理工学研究科, 准教授 (70432797)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 地盤工学 / 液状化 / 不飽和土 |
研究実績の概要 |
飽和した地盤の動的遠心模型実験を行い、排水境界条件と透水係数が見かけの液状化強度に及ぼす影響を、地盤の密度や透水係数を変化させることにより系統的に調べた。はじめに一様な飽和地盤の実験を行い、そこでの模型の透水係数は、間隙流体の粘性を1000倍の範囲で変化させこれによって変化させた。その結果、体積圧縮ひずみにより飽和及び不飽和地盤の液状化強度増加が統一的に表せることがわかった。また、地下水位が地盤中にあり、液状化層上に不飽和層が存在する場合の実験についても行った。 次に、地盤中の飽和度の長期的な変化を調べることを目的とした模型実験及び数値解析を行った。実験では、水平一方向の地下水浸透を受ける地盤をモデル化した分割型の一次元カラム実験装置を製作した。この装置は5個に分割したカラムを直列に接続し、それぞれの分割部分の飽和度の経時変化を精密に測定できるようにした。地下水の流入・流出側で水の溶存空気量の測定を行い、土中に存在する気体収支の経時変化を調べた。初期飽和土を90%とし、溶存空気量をゼロとした水を乳ニュウさせた実験で、地下水の流入側から飽和土が変化し、飽和度の変化は土が完全に飽和した後に順次伝播してゆくことがわかった。また、気液二相流解析で流体の移流拡散と気体の溶解モデルを考慮した数値解析を行い、模型実験のシミュレーションを行った。解析結果は実験結果と良い対応を示し、数値解析の適用性を確認した。これらにより、一旦不飽和化した地盤の長期的な飽和度変化を予測できることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成26年度は、模型実験及び数値解析により、空気注入により不飽和化した地盤の飽和度の長期的な変化の実験的な解明と、予測手法の適用性の検討を行うことを目的とした。 小型の室内模型実験により、飽和度の経時変化挙動を詳細に明らかにすると共に、それを対象とした数値解析により、うまく現象を再現した。以上のように、研究はほぼ計画通りに進んだ。
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今後の研究の推進方策 |
H27年度は最終年度であり、これまで構築してきた要素技術を取りまとめると共に、現場での空気注入実験を行い、確立した技術の憲章を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた実験の回数を若干減らしたため。
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次年度使用額の使用計画 |
前年度減らした実験を今年度実施するために繰り越した金額を使用する予定である。
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