動的遠心模型実験により,構造物直下の液状化層を不飽和化した場合の対策効果とメカニズムを明らかにした。特に設地圧が10~30kPaと小さな直接基礎構造物への対策効果を明らかにする実験を行った。不飽和化による液状化対策は,原理的には拘束圧の小さな条件下では効果が小さい。そこで小規模で軽量な構造物についても実験を行うものである。また,これらの模型実験を対象とした数値解析を行い,解析法の適用性,パラメータの設定法を検討し、数値解析法の適用性を確認すると共に地盤内で生じている体積ひずみ分布について詳細な知見を得た。 次に、地盤内環境と不飽和状態の長期持続性について検討した。 地盤中の飽和度変化および流入・流出側の水の成分分析を行い,領域中の気体の収支を知ることにより,領域中の化学作用,生物作用によって生成または消費される気体量を推定する方法を実験室で確立した。室内実験では,地下水流動を受ける部分的な不飽和地盤の側面から水を流入・流出できる実験土層に飽和度が80%程度の一様な不飽和砂地盤を作製し,側方から溶存空気量を調整した水を流入させ,地盤中の飽和度変化および流出側の水について,空気溶存量を計測し,領域中の気体の収支および内部での化学反応を推定した。また,気液二相流解析に気体の溶解モデルと化学反応を考慮した数値解析を行い,模型実験および現場実験のシミュレーションが出来るようモデルを改良した。これを用いて空気注入を行った現場の町村続成予測を行ったところ、不飽和状態が100年以上存続することがわかった。 最後に3カ年の研究をとりまとめ、コストをおよそ1/50程度まで削減した工法として確立した。
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