研究課題/領域番号 |
25289155
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
山田 文彦 熊本大学, 自然科学研究科, 教授 (60264280)
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研究分担者 |
中川 康之 独立行政法人港湾空港技術研究所, その他部局等, チームリーダー (30360762)
辻本 剛三 神戸市立工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (10155377)
中條 壮大 熊本大学, 自然科学研究科, 助教 (20590871)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 河口デルタ / 長期予測 / 極端気象 / 数値解析 / 現地観測 |
研究概要 |
今後地球規模の極端気象現象の増加により,沿岸域においては,豪雨に起因した異常な河川出水に伴う過剰な土砂流入や台風巨大化に起因した高潮・高波等による災害リスクの増大が懸念されている.平成24年7月12日未明から朝にかけて熊本県阿蘇地方では時間雨量100mm程度の猛烈な雨が数時間継続した.本年度は、過去8年間の地盤高観測結果と比較しながら、今回の異常出水に伴う熊本県白川河口域に広がる潮間帯干潟の応答特性を検討した.得られた主要な結果を以下に要約する。 (1) 潮間帯干潟上での泥堆積厚の分布は,岸沖方向には河口から離れるにしたがって,また,沿岸方向では河口に近いほど,厚い傾向であった.最大の堆積厚はR1ライン上の1,500m付近であり,その厚さは約50cmであった. (2)平成24年6月~12月の実測による地盤高の岸沖分布,全観測期間の平均断面とその標準偏差を比較することで,出水前の6月の岸沖断面はほぼ平均断面と変わらない状況であったが,河口に近いR1ラインでは,出水後7月末の観測では,沖側に向かって堆積傾向が強くなっており,最大堆積高は約60cmであり,泥堆積量とほぼ同じであった.一方,河口から一番離れたR5ラインでは出水前後で地盤高には明確な変化は見られず,出水による運搬土砂の影響は比較的小さいことが確認できた. (3) 平成18年1月~2012年12月までの鉛直変位パラメタの変動を比較することで,河口に一番近いR1ラインの平均的な堆積量は30cmを超え,この値は過去の最大値の3倍以上の値となることがわかった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現地観測データも順調に取得できており、データ解析はほぼ予定通りに進んでいる。また、数値モデルの開発もほぼ予定通りに大枠を決定することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後も計画通りに現地データの取得を継続する。 数値モデルに関しては、観測データとの検証を行う
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