研究課題
本年度の研究実績としては,研究実施計画にある観測データの活用から状態推定を行う帰納的アプローチ,行動原理や関係性のモデルからシミュレーションを活用して状態を推定する演繹的アプローチ,更にその融合の3分類である.本年度は研究の最終年度であることから,主に融合についての研究成果が中心となる.その例として,高速道路の所要時間には様々な要素が含まれることから,渋滞などの現象自体を明確にできないが,所要時間分布を状態変数として,シミュレーションと観測データからその分布の状態推定を行った.さらに提案モデルの有効性の確認を目的とした従来型モデルとの比較を行った.さらに,歩行者挙動モデルのパラメータを状態とした推定などの研究もおこなわれた続いての成果として,データの活用についての研究である.帰納的なアプローチとして,観測データの活用についてはまだ多くの課題が残されていたことから,テキストデータからの交通情報の抽出や,モバイル機器等の各種デバイスへの搭載センサを用いた位置等の状態推定,PT調査や流動人口データを用いた交通需要変動分析,複数データからの車両挙動推定,観測データからの異常検知などが行われた.更に演繹アプローチとしてのシミュレーション(構造)モデルの高度化も進められた.特にパラメータ変化に着目した自動車の自由流と渋滞流の違いや,同じく歩行者の挙動の変化に対するパラメータの役割,Hyper-pathモデルを用いた複雑なネットワークでの推計モデルの高度化などがこの成果にあたる.これらから,本年度の成果は研究の実施計画から,おおむね予定通りであり,これらの成果の実務的活用についての広報は,昨年度土木学会のセミナーにおいて,研究グループから4件の発表を行うなどの協力によるものと,28年度の土木計画学研究発表会において企画セッションを行うことで社会に公表する.
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (16件) (うち査読あり 14件) 学会発表 (26件) (うち国際学会 8件) 図書 (3件) 備考 (2件)
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