研究課題/領域番号 |
25289168
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
西村 文武 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60283636)
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研究分担者 |
津野 洋 大阪産業大学, 人間環境学部, 教授 (40026315)
日高 平 独立行政法人土木研究所, その他部局等, 研究員 (30346093)
水野 忠雄 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (00422981)
高部 祐剛 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (70625798)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 高温嫌気性消化 / メタン発酵 / 嫌気性アンモニア酸化 / 温室効果ガス / 亜酸化窒素 / 高温嫌気性発酵 / エネルギー自立 |
研究概要 |
嫌気性反応について、高温メタン発酵例として、汚泥、生ごみとコーヒー滓の混合消化を行った。高温嫌気性消化では汚泥や有機性廃棄物としてのコーヒー滓は、生ごみとの混合発酵により安定して発酵が促進されることが示された。また一方で、コーヒー滓の投入は汚泥のメタン発酵量を増大させる可能性があることが示されているが、一方で、コーヒー滓の割合を高くすると、発酵中間代謝物によるメタン発酵への阻害が生じることがわかり、阻害回避策として、活性炭の活用が有効であることの知見を得た。また次世代シーケンサを用いた菌叢解析を行い、生ごみなどの投入による共発酵を行うと、菌叢も投入基質条件に応じた菌叢に変遷していくことが観察され、生物反応槽による処理には菌叢の変遷と安定化が関与している実態を把握した。嫌気性アンモニア酸化反応(アナモックス反応)による温室効果ガス(亜酸化窒素)生成特性を確認し、とりわけアナモックス反応においては、アンモニア性窒素濃度が高い反応初期段階(押出流れ系では上流位置)において、亜酸化窒素の生成が卓越していることを明らかにした。一方で、亜酸化窒素はアナモクスリアクターの後半段階(押出流れ系では下流位置)において亜酸化窒素が消費される現象があることを明らかにした。初期段階の亜酸化窒素の抑制並びに、後半での亜酸化窒素消費促進を図ることで、システム全体としての亜酸化窒素発生抑制が達成できる可能性があることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アナモックス反応やメタン発酵反応に関する実験的検討を実施した。内容はやや基礎的なものに重点を置いた形になったものの、次世代シーケンサの導入による菌叢解析など、当初の予定をカバーする形での進捗が得られている。
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今後の研究の推進方策 |
基本的には、当初計画に従って研究を推進させる。
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次年度の研究費の使用計画 |
購入した自動有機元素分析装置のセッティング価格等において、当初予定額よりも低く実施できたことにより次年度使用金額が発生した。 実験の経費や実験装置運転の消耗品に充当し、研究をより進展させるように活用する。
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