研究課題/領域番号 |
25289172
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
渡辺 幸三 愛媛大学, 理工学研究科, 准教授 (80634435)
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研究分担者 |
三宅 洋 愛媛大学, 理工学研究科, 准教授 (90345801)
大村 達夫 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 教授 (30111248)
加藤 幹男 大阪府立大学, 高等教育推進機構, 准教授 (30204499)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 系統進化 / 土木環境システム / 生態学 / 遺伝子 / 進化 |
研究概要 |
初年度となるH24年度は,課題1「フィールド調査および従来法(形態種同定)による種多様性の評価」および課題2「DNA型コピー数平準化法の開発」を計画通り実施し,さらに計画を前倒して課題4「進化モデル解析によるDNA種数の定量化」も一部開始した。 課題1では,重信川流域(愛媛県)の源流から下流に分布する10リーチにおいて,種多様性評価に用いる底生動物のサンプリングと環境調査を実施した。次年度以降に本研究で評価するDNA種数との比較のため,すべての底生動物サンプルは,顕微鏡観察に基づく従来法により,形態種(リンネ種)の数を評価した。その結果,全リーチから8921個体を採取し,64分類群を同定した。また,窒素・リンなどの水質,水温,餌資源,流速,水深等の底生動物の生息に関係する環境項目を調査した。 課題2では, 本年度は,コピー数平準化に最適な再会合過程の温度と時間条件を検索した。多くのDNA型のPCR産物が二本鎖に再会合するが,わずかに1本鎖が残存する温度・時間条件が平準化状態に近づく温度・時間条件を検索した。その結果,74-80℃で10分間で再会合した後に,それ以上の再会合反応を停止させるために氷上で急冷するという操作が最適であることを見出した。 課題4では,海外共同研究者のプサン大学のチョン教授研究室から研究員1名を愛媛大学に招へいし,自己組織化マップ(SOM)を使った種の定量化に向けた理論研究を遂行した。この理論的シミュレーション技法を概ね完成させることができた。 また,H25年1月31日に,本科研プロジェクトを中心とする研究グループが愛媛大学に集まり,一般公開の形で「流域と生態系ワークショップ2014- 水文生態学,生息場学,分子生物学の新しい研究アプローチ-」を開催した。当日は9件の研究発表を行い,学生や若手研究者を含む38名が集まり,プロジェクトの更なる進捗に向けた意見交換ができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の予定通り,課題1「フィールド調査および従来法(形態種同定)による種多様性の評価」および課題2「DNA型コピー数平準化法の開発」を実施できた上に,計画を前倒して課題4「進化モデル解析によるDNA種数の定量化」も一部行うことができた。したがって,計画以上の速度で進捗していると評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
計画期間2年度目となるH25年度は,予定通り,課題2「DNA型コピー数平準化法の開発」を継続し,さらに課題3「次世代シークエンスによる大規模DNAデータベースの構築」を実施する。さらに,可能であれば,3年度目に計画していた課題4「進化モデル解析によるDNA種数の定量化」も更に進捗させたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度から一部開始する予定にしていた次世代DNAシークエンシング解析等の分子生物学的実験を次年度にまとめて集中して行う実験計画に変更したため。 分子生物学的実験の消耗品や委託解析費として主に使用する計画である。
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