研究課題/領域番号 |
25289178
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
境 有紀 筑波大学, システム情報系, 教授 (10235129)
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研究分担者 |
松森 泰造 独立行政法人防災科学技術研究所, 兵庫耐震工学研究センター, 主任研究員 (10272361)
五十田 博 京都大学, 生存圏研究所, 教授 (40242664)
久田 嘉章 工学院大学, 建築学部, 教授 (70218709)
荒木 康弘 独立行政法人建築研究所, 構造研究グループ, 主任研究員 (40435582)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 振動実験 / 木造建物 / 地震動 / 建物被害 / 震度 |
研究実績の概要 |
初年度に現存する最低レベルの木造建物が2011年東北地方太平洋沖地震などによる極短周期地震動で大きな被害を受けないことを再現できたことを受けて,今年度は,建物耐力をパラメータとした振動実験を行った.具体的には,壁仕様を筋交い,構造用合板,構造用合板+筋交いと変え,重量を変化させることで,壁量(建物耐力)を変えた試験体10体について振動実験を行った.建物耐力は,昨年度行った最低レベルより上の3レベルとした.入力地震動は,2011年東北地方太平洋沖地震のJMA古川三日町と2003年宮城県沖の地震のJMA大船渡の二波とした.二波目は一波目の入力後,補修を行って入力した.試験体は,数多く作成するために,初年度に作成した試験体を基に,加振直交方向を1Pの構造用合板とし,加振方向を4P,一層とした.実大との整合性を確認するために,初年度のものに対応した試験体を準備するとともに,一層と二層の対応関係も見るために,二層試験体も1体だけ入れた.その結果,壁仕様,壁量(耐力)によって異なる様々な被害データ,建物耐力と周期の組み合わせと,入力地震動の周期特性の組み合わせによって,被害がどのように変化するかについてのデータを得た.また,初年度のデータの分析,および,一層と二層のデータを比較・分析することにより,極短周期地震動により現存する最低レベルの木造建物が大きな被害を受けない要因のいくつか,具体的には,基礎部の金物がないことにより浮き上がりが起こっていること,通り柱の曲げ戻しの影響があることなどを明らかにすることができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度,二年目と二度の実大木造振動実験を行うことができて,当初の目的に充分なデータを得ることができたため.
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今後の研究の推進方策 |
今年度は,初年度,昨年度のデータを分析して,耐震性能が最低レベルの在来木造建物が震度6以上の極短周期地震動で被害が生じない要因について検討するとともに,初年度,昨年度のデータを分析し,過去の強震観測点周りの被害データと併せて検討することで,既存の在来木造建物を対象として,被害を的確に推定する地震動強さ指標と被害関数の提案を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の進捗により,未使用額が生じたため
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次年度使用額の使用計画 |
振動実験結果の整理・分析に使用する
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