| 研究課題/領域番号 |
25289189
|
|---|
| 研究種目 |
基盤研究(B)
|
| 研究機関 | 明治大学 |
|---|
研究代表者 |
平石 久廣 明治大学, 理工学部, 教授 (40113211)
|
|---|
| 研究分担者 |
高木 仁之 明治大学, 理工学部, 准教授 (70130820)
小林 正人 明治大学, 理工学部, 准教授 (50373022)
|
|---|
| 研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
| キーワード | 建築構造・材料 / コンクリート構造 / 耐震設計 / 応答制御 / 損傷回避 |
|---|
| 研究概要 |
スパン数の少ない張間方向などを対象とし、圧縮側杭頭での沈み込みを伴う基礎回転系構造の開発実験及びその応答評価法の開発研究を行った。また来年度から実施する半剛接柱の実験開発のためその要求性能についてフレームの地震応答解析より検討を行った。以下その具体的内容を記す。
１．杭頭沈み込みを許容した基礎回転系構造の開発実験を行った。採用した杭は損傷軽減機構を有する降伏機構分離型とし、杭頭には適切な剛性を有するゴム系の樹脂を用いた。杭頭の主筋は太径の鉄筋で座屈等の不具合を避けるため杭中央部に設けた。また杭頭部のせん断を伝達するため杭頭はパイルキャップに挿入した。実験パラメーターはこの他、許容沈下量（ゴムの高さで調整）自重による鉄筋の初期導入軸力（ゴム形状で対応）とした。実験結果は本構造システムを実現しうる十分な性能を示した。
２．杭頭沈み込み基礎回転系の応答評価法について検討を行った。本課題では杭頭沈み込み型の履歴による等価減衰定数を明らかにするとともに応答スペクトルに基づく新たな応答評価法を提示した。具体的には従来の等価線形化法では適切な評価ができなかったためエネルギーに基づく斬新的な手法を採用することとしその理論の構築を行った。
３．一様な変形機構を形成するために必要な最下階柱脚、最上階柱頭の半剛接柱の要求性能を、ファイバーモデルを用いた架構の地震応答解析により明らかにした。解析は5階、8階、14階モデルについて行い、高層建物では外力分布系の正確な把握が重要であることを明らかにした。
|
| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り計画を実施し、ほぼ当初の想定通りの成果が得られた。
|
| 今後の研究の推進方策 |
本年度からは桁行方向などを対象とし半剛接柱の開発を行うとともにその柱を用いた変形一様化構造システムの開発を行う。基礎回転系を含む今後の研究テーマの概要を以下に記す。
１．損傷軽減機構を有する降伏機構分離型鉄筋コンクリート造の半剛接柱の開発実験を行う。本半剛接柱には高軸力に対しても対応できるように、コンクリートの圧壊防止のためのテーパーを柱端部に設ける。試験体はテーパー形状、せん断余裕度をパラメーターとする。また、これらの実験結果に基づき応答解析のための半剛接柱の復元力特性モデルを作成し変形一様化構造システムのフレーム解析に用いる。
２．一様な変形機構を形成する構造システムの構造計画理論を構築し、ファイバーモデルを用いた地震応答解析によりその理論の妥当性を考察する。基本的には各階の床位置での回転増分が生じないような構造計画が適切であると考えている。また、高層建物などにおいて建物上部の変形を抑制するためにこのシステムを建物の下層部に組み込んだ架構や一様変形を活用した制振構造などの併用構造について応用技術を開発する。さらに、25年度の成果に基づいて杭頭浮き上がり、沈み込み、およびそれらの現象が同時に生じる場合の基礎回転系の上部構造の変形を含めた応答評価法を構築し地震応答解析によりその有効性を確認する。さらに建物、杭・地盤一体地震応答解析により杭自体の浮き上がり、沈み込みも含んだ基礎回転系構造の応答評価法について検討する。
３．損傷軽減機構を有するRC柱の構造設計・施工マニュアル、一様変形機能を有する構造システムの耐震性能評価指針、杭頭沈下対応型損傷軽減機構を有するRC杭の構造設計・施工マニュアル、基礎回転系構造の耐震性能評価指針、損傷軽減機構を有する部材を活用したRC高耐震構造設計指針を作成する。
|
| 次年度の研究費の使用計画 |
端数が生じたため
物品費購入に充てる
|
