室内の温熱環境条件から乾燥感を予測する体系を構築することを目標として、皮膚、眼球、気道での水分蒸発モデル、周辺組織における局所伝熱モデルを開発し、温湿度・風速条件に応じた皮膚、眼球、気道の生理反応、乾燥に関する心理反応を被験者実験により明らかにした。開発したモデルにより被験者実験で得られた皮膚・粘膜の蒸発面温度の挙動、水分状態を概ね再現可能であること、乾燥に関する心理反応は極度の低湿度条件に対しても弱いものであることが被験者実験より示された。以上より、当初想定していた乾燥感よりも、皮膚、粘膜の水分状態に関する生理量を用いた室内温熱環境の評価の枠組みを構築することが有効であることが示された。
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