研究課題/領域番号 |
25289196
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
谷本 潤 九州大学, 総合理工学研究科(研究院), 教授 (60227238)
|
研究分担者 |
萩島 理 九州大学, 総合理工学研究科(研究院), 准教授 (60294980)
池谷 直樹 九州大学, 総合理工学研究科(研究院), 助教 (70628213)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 風洞実験 / Large Eddy Simulation / 運動量輸送 / スカラー輸送 / 都市キャノピー |
研究実績の概要 |
Dynamic PIVによる都市キャノピー内の高次乱流統計量測定システムの構築;都市キャノピーがもたらす熱・空気力学フォーシングの物理機構,特に乱流生成メカニズムの解明には,高い空間分解能をもった高次乱流統計量に関する3次元的実験データの計測が必要である.CFDアプローチは時空間解像度に関して比較的自由度の高い魅力的な方法ではあるが,DNSでは計算機資源の制約で現実的な高Reynolds数領域が解析出来ず,LESではcut-off波数以上の帯域(Sub-grid scale)にモデルを仮定せざるを得ない,との欠点もあり,実験アプローチにより実現象を直接計量する要請は依然として大きい.準備研究で予備システムとして仮構したPIVシステム(高感度カメラと中出力レーザー発信器は既設,九州大学)を,数街区にわたる広域同時計測に拡充し,Dynamic PIV(Particle Image Velocimetry)による計測システムを構築する.都市キャノピー内の乱流機構およびsweep,ejectionとして知られるキャノピー内外相互作用に関する,面的かつ高次モーメント(3次の歪度,4次の尖度)解析に堪える高精度の乱流計測データを系統的に収集した. 風洞模型実験,LESを適用した都市キャノピー内に埋め込まれた単体建物に作用する都市-大気間フォーシングの瞬時的影響の解明;都市キャノピーを構成する建物模型前後壁面の面内圧力分布を,複雑幾何形状を系統的に変化させながらLarge Eddy Simulation(LES)により解析し,建築物理学-都市気候物理学のカップリングを考慮した建物内換気回路網ダイナミックモデルを理論構成する足掛かりを得た.解析によって得られた壁面風圧係数Cpは高時間分解能を有する.よって,このダイナミックCpの統計的性質と都市幾何形状(周囲建物の建て込み方)との普遍的因果関係を乱流統計量とを関係づけなら,都市キャノピーの乱流生成機構の素過程解明に繋がる足掛かりを得た.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2年度に予定していたサブテーマのミッションに取りかかり、一部その結に至っていない部分もあるが,LESを適用した応用研究は順調に進捗しており,上記の自己評価が妥当であると考えられる.
|
今後の研究の推進方策 |
研究機関最終年度に向けて,運動量輸送,スカラー輸送に関する風洞模型実験,スカラー輸送に関する理論解析,LESを中心とするCFDを併走させて進め,併せて研究のまとめを行う.
|