研究課題
単結合窒素と重遷移金属(4d,5d遷移金属)から成る遷移金属窒化物は,近年ダイアモンドアンビルセル超高圧発生装置と赤外レーザー加熱を組み合わせた超高圧合成によって見出された新しい物質群であり,将来薄膜化することにより電子材料や超硬材料としても期待されている.本研究では,昨年度までに従来のレーザー加熱型超高圧合成システムとは根本的に異なり,超高圧領域においても系統的な合成実験とその場測定が可能なシステムを開発してきた.最終年度では,これまで開発した合成装置と試料評価装置を用いて,新規重遷移金属窒化物を合成しさらに第一原理電子構造計算による理論的な解析も同時に行い,これら物質群の結合状態・結晶構造・電子構造を系統的に解明した.例えば,白金族窒化物MN2 (M = Ru, Ir, Pt)について硬X線光電子分光及び軟X線分光によって電子構造と化学状態を評価した.試料は約0.1 mm以下と小さく.SPring-8の硬X線および軟X線マイクロビームを用いて光電子スペクトルおよび窒素K吸収端スペクトルを取得した.結晶構造パラメタを用いて計算した状態密度分布と価電子帯硬X線光電子スペクトルを比較したところ,計算予測と実験結果はよく対応した.このように,実験・計算ともに,RuN2は金属,IrN2およびPtN2は半導体的電子構造を示した.一方,PtN2やIrN2では内殻準位に大きな化学シフトが見られたが,RuN2では見られなかった.これらの結果から,窒素K吸収端X線分光の結果も含め化学状態と電子構造について議論し,窒素の単結合と大きな体積弾性率の相関を明らかにした.また,本研究で得られた知見の他物質への展開も試みた.さらに,マルチアンビル型大型プレス装置を用いた研究への展開を念頭に置いて初期実験を試みた.その結果,本研究の成果を応用した様々な展開の可能性が見いだされた.
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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あいちシンクロトロン光センター成果報告書
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