研究課題/領域番号 |
25289229
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
岸本 昭 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (30211874)
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研究分担者 |
林 秀考 岡山大学, 自然科学研究科, 准教授 (90164954)
寺西 貴志 岡山大学, 自然科学研究科, 助教 (90598690)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 超塑性 / 多孔体 / 雰囲気依存性 / 誘電率 / アルミナ / マグネシア / チタニア / 酸化スズ |
研究概要 |
電子回路の集積化に伴い信号線の間の浮遊容量が問題となる。高速スイッチングや高周波用途での伝送遅延を防ぐためには、絶縁基板の誘電率を下げることが有効である。空気の比誘電率は1に近いため基板に気孔を導入することにより全体の誘電率を小さくすることは可能であるが、従来の多孔化方法では開気孔が形成されるため、水分吸着による電気容量変化や機械的強度低下が問題となっていた。 報告者の提案・開発してきた超塑性発泡法は緻密なマトリックス中に、閉気孔を高体積分立で導入できるため、誘電率の低減と機械強度の維持および雰囲気湿度への安定性が両立しうるものと期待される。 超塑性発泡法において、気孔を拡張させるためには、マトリックスの超塑性変形特性を高めるため、添加物を用いる。機械特性制御に最適な添加物をそのまま用いても、機能材料では特性に悪影響をおよぼす恐れがある。テーマでは、電気特性を損なうことなく超塑性変形能を高める添加物を探索したところ、アルミナ基板に、マグネシア、スピネルを添加すると、低誘電率を維持したまま超塑性能を向上させることができ、緻密な気孔壁を有する気孔率50%近い多孔体を作製することができた。この多孔体の誘電率が雰囲気湿度に影響されないことを確認した。 また、研究実施者の研究室では、超塑性変形速度や変形限界の向上にマイクロ波(ミリ波含む)の利用が有効であるとの知見を得ている。このため、本年度はミリ波加熱容器・制御機を導入し、超塑性発泡体作製への適用の可能性を探った。ジルコニア基板にシリカを添加したときは赤外加熱と同等の塑性変形であったが、チタニア、酸化スズを共添加するとミリ波中での塑性変形能力が向上することがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
誘電率を低下することなく、マトリックスの塑性変形能力を向上させる添加物を見出すことができた
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今後の研究の推進方策 |
圧力センサーへの適用を前倒しして行いたい。
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