研究課題
透明導電膜は、高い可視光透明性と電導性を有すると同時に、熱線吸収材料としての応用もでき、Low-Eと呼ばれている熱効率の良い窓ガラス、熱線反射ガラス、電磁気シールドガラス等として応用でき、これまで、スズドープ酸化インジウム(ITO)や金属薄膜が主に用いられている。ITOには、希少金属のInが利用されており、今後予想される継続的な需要の急拡大に対応する安定的供給が縣念されている。金属薄膜は透明性が低いことが課題である。そのため、ITO等のスパッタ薄膜化法に置き換わる薄膜合成プロセスの開発及び希少元素Inを使わない安価な導電性物質群の開発が急務とされている。本研究は、90-200C程度の溶液プロセスを用い、混合原子価状態タングステン化合物の合成に成功すると共に、溶液プロセスにより、直接ガラス基板上に導電性酸化亜鉛薄膜を成長させ、c-軸方向に配列成長をさせることによって、透明性と導電性を共に向上させることに成功した。環境に優しい溶液プロセスによって、インジウムフリーな酸化亜鉛薄膜の調製に関して、酸化亜鉛種結晶を含む溶液を基板上に塗布し、95Cの溶液中に於いて、(002) 面に配向した均一な薄膜の合成に成功した。前駆体による影響を検討すると共に、合成した薄膜は可視光領域の高い透過率と優れた紫外線遮蔽効果を実現した。更に配向性や緻密性を向上させるため、ゾルゲル法による二段階製膜を行い、薄膜構造の緻密化及び移動度の増加を実現し、Gaイオンドープに伴いキャリア濃度が増加するなどにより、透明性を維持しながら、導電性等の物理化学特性の顕著な向上に成功した。更に、遷移金属ドープ及び処理雰囲気制御による導電性向上を検証し、溶液プロセスによる透明導電性薄膜の合成プロセスの有効性を提案した。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 2件、 査読あり 4件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (31件) (うち国際学会 18件、 招待講演 9件) 備考 (2件)
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