研究課題
Mg合金の電気化学的均質性評価手法の確立と腐食メカニズムの解明とMg合金組織の幾何学的不均質性が電気化学的均質性に与える影響の解明についての研究を行い,以下の結果を得た。(1) Mg/LPSO二相合金鋳造材を用いた電気化学的均質性評価手法の確立:Mg-Zn-Y系およびMg-Zn-Gd系合金の表面電位分布を走査ケルビンプローブフォース顕微鏡(SKPFM)法により調査し,構成相間の電位差と腐食挙動および電気化学的挙動の関係を明らかにした。Mg-Zn-Gd-Al合金において,Alを添加することでLPSO相中のZnがAlに置換されることによりLPSO相の電位が母相の電位に近づき,結果として耐食性が向上することがわかった。(2) Mg/LPSO二相合金展伸材の集合組織が腐食挙動に及ぼす影響の調査:Mg97Zn1Y2合金押出材の異方性が腐食挙動に及ぼす影響を調査し,押出方向垂直面が押出方向平行面よりも耐食性が優れていることを明らかにした。押出方向平行面の耐食性が低い理由として,押出方向に繊維状に形成されるα-Mg母相の加工粒集合組織およびLPSO相集合組織による影響であることがわかった。(3) Mg/LPSO二相合金の成分設計とその電気化学的特性の評価:母相との電位差が小さいLPSO相の探索を行い,Mg-Zn-Y系,Mg-Zn-Y-Al系,Mg-Zn-Gd系,Mg-Zn-Gd-Al系合金において,LPSO相を形成する新しい合金組成をみつけるとともに,それらのSKPFM表面電位に関する情報と腐食挙動に関する基礎的知見を得た。第四元素として添加するAlの役割がMg-Zn-Y系とMg-Zn-Gd系では大きく異なり,前者では皮膜形成に寄与し,後者ではLPSO相の電位低下に寄与することが示唆された。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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