医用高分子からなる膜厚数十nmの高分子薄膜(ナノシート)は、生体表面へ貼付可能な革新的な医療材料”ナノ絆創膏”として注目されている。本研究では、薬物の微結晶やナノディスクをバリアー層や放出層として機能するナノシートで挟み込んだ多重層ナノフィルム製剤の製造法と薬物放出制御法を確立する。蛍光性モデル薬剤の各種医用高分子に対する透過性の相違を明らかにし、こられのブレンドによる透過性の制御法、ならびに相分離貫通構造を利用したナノディスクの大量製造方法を確立した。実薬として抗菌性AgSDの微結晶を挟んだフィルム製剤を構築して、II度熱傷感染モデルマウスにて治癒速度が有意に改善されていることを認めた。
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