研究課題/領域番号 |
25289258
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
大貫 仁 茨城大学, 工学部, 教授 (70315612)
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研究分担者 |
篠嶋 妥 茨城大学, 工学部, 教授 (80187137)
稲見 隆 茨城大学, 工学部, 講師 (20091853)
永野 隆敏 茨城大学, 工学部, 講師 (70343621)
近藤 和夫 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50250478)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 3次元実装 / TSV / Cuめっき / 低ひずみ / 抵抗率 |
研究概要 |
Cu-TSVの抵抗率は微細化・高密度化に従い増加し、システム全体としての高速化を妨げると考えられる。しかし、これまでCu-TSVの抵抗率の微細構造の関数として評価した例は無い。TEG(模擬デバイス)構造が複雑になるためである。Cu-TSV用TEGの設計、製作プロセスを繰り返し行い、抵抗率を測定できるTEGの見通しを得た。また、めっき後のCu-TSVの均一・大粒径結晶粒成長のためのシミュレーションを行った。さらに、現状のTiN系バリア膜に比べ、Cuめっき膜の低歪化と密着性に優れたRuバリア膜を検討した。1)CVDおよび2)スパッタ法の両者で検討中である。CVD膜に関しては、Cu(111)が得られる膜形成条件が得られつつあるが、SiO2基板との密着性が低く、企業と共同で高密着性の得られる膜形成プロセスの改良を検討している。スパッタ法では、抵抗率が低く(20μΩ・cm)、平滑なRu膜が得られる低温(400℃、従来は700℃)膜形成条件を見出した。Cuめっき性も良好である。さらに、TSVのアスペクト比とRu膜のステップカバレージとの関係について検討中である。上記Ru形成条件を明確にした後、本TEGを用いて、Ruバリア膜、Ruバリア膜上のCuめっき膜の微細構造と抵抗率の関係を明らかにするとともに低抵抗率の得られるめっきプロセス(添加剤の種類、硫酸銅の純度)も開発する。最終的には、抵抗率および歪を従来プロセス(TiN系バリア、従来硫酸銅)と比較する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Cu-TSVの抵抗率を測定可能なTEGを設計・製作できる見通しを得たため。このTEG を使用し、高アスペクト比TSVに高速で、しかも微細構造を制御できるプロセスで Cu-TSV形成を行い、低歪化を実現する。
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今後の研究の推進方策 |
1.Ruバリア膜の形成プロセスの確立 2.Cu-TSVの抵抗率および埋め込み性に及ぼすバリア材質、硫酸銅純度、添加剤の影響 3.Cu-TSVの抵抗率と微細構造の関係評価 4.低抵抗率Cu-TSVの歪(信頼性)のEBSDによる評価
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次年度の研究費の使用計画 |
Cu-TSVの加熱冷却に伴う変形挙動を走査型電子顕微鏡中にTEGをセットし、in-situ観察するための予備検討を行う予定であったが、抵抗率測定用のCu-TSVの設計・製作に注力したため、次年度以降に行うことになった。このためのTEGは作製せず、計上しなかった。 次年度以降に、走査型電子顕微鏡内での加熱・冷却によるCu-TSVの変形挙動の結晶粒径分布依存性観察を予備検討まで含め行う。
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