ダイヤモンドとc-BNの中間の性質を持つと期待されるBCN系材料への注目が集まりつつある.本研究では,電磁気フィルタを用いて高エネルギーのイオンを抽出することのできるFiltered Cathodic Vacuum Arc (FCVA)装置を開発し,BとCの混合ターゲットと窒素ガスを用いてBCN系膜を合成し,その構造及び組成が機械的特性にどのような影響を及ぼすかを詳細に検討した.その結果,N量が2-7at.%の場合に,比較的高硬さで,トライボロジー特性に優れ,耐酸化性を有するBCNコーティングを実現出来ることを明らかにした.最高の膜硬さは,Nを含まないBC膜で得られ,67.1GPaに達した.
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