本研究では,研究代表者が世界に先駆けて開発したC-Si-Mn-Cr-Mo系次世代超高強度構造用鋼“TRIP型マルテンサイト鋼(TM鋼)”を自動車,建設機械等の駆動部品に適用することを目的として,切欠き疲労強度と遅れ破壊強度を高めることのできる組織制御技術,表面硬化処理技術を調査するとともに,それら強度特性の改善メカニズムを検討した.その結果,(1)TM鋼の切欠疲労強度を高めることのできる加工熱処理法,最適合金組成,微粒子ピーニング条件,真空浸炭処理条件を明らかにした.また,(2)それらの改善機構を明らかにした.さらに,(3)TM鋼では切欠き疲労強度への水素感受性が低くなることを明らかにした.
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