研究課題
本研究は、合金凝固におけるミクロ偏析制御のための新しい方法を発展させることを目的とし、多元系合金の溶質拡散におけるタイライン・シフト現象の解明と、それを利用した新たな指導原理の発展を試みた。そのため、fast diffuserとslow diffuserを含んだ合金系を対象に、鋳造実験によるミクロ偏析の解析、組織形成シミュレーションによるミクロ偏析におけるタイライン・シフト現象の影響解明、原子シミュレーションによる組織形成を支配する高温物性値の算出に取り組んだ。仮想的な合金系でタイライン・シフトの影響の詳細を系統的に明らかにした後、主にFe-C-Mn合金を対象に具体的な検証を行った。その代表的な成果を以下にまとめる。(1) タイライン・シフトが生じることによって、slow diffuserのミクロ偏析は低減する(2) その低減量は、fast diffuserとslow diffuserの液相中拡散係数の差が大きいほど、冷却速度が高いほど、slow diffuserの添加量が相対的に多いほど、大きくなる(3) slow diffuserの存在は、凝固組織の微細化にもつながるため、組織変化の影響によっても、slow diffuserのミクロ偏析は低減する(4) Fe-Mn合金におけるMnのミクロ偏析は、Cを微量添加することで、タイライン・シフトが生じ、Mnの偏析が低減する
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 謝辞記載あり 6件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 5件、 招待講演 3件)
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