溶融スラグ―溶鋼間の界面張力を高く保って溶鋼へのスラグの巻き込みを防止するために、スラグ組成を設計しても、溶融スラグ‐溶鋼間で化学反応が生じると界面張力が低下して巻き込みが生じることがあり、本研究ではその機構解明を目指した。スラグと鋼組成を変化させ、界面張力測定の実験を多数行った結果、スラグから溶鋼に向かってSiO2の分解に伴う酸素が界面を横切る際に界面に酸素が過剰に吸着し、一時的に界面張力が低下するという機構をもとに様々な現象を説明可能であることを見出した。さらにスラグ粘度の低下に伴い界面張力の低下の程度が大きくなることを見出し、界面張力の動的変化に及ぼす溶融スラグ粘度の影響を明らかにした。
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