研究課題/領域番号 |
25289288
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
江口 浩一 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00168775)
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研究分担者 |
松井 敏明 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90378802)
室山 広樹 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (40542105)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 燃料電池 / エタノール水蒸気改質 / 改質触媒 / 電極触媒 / 低級アルコール |
研究実績の概要 |
Ni(Al0.25Fe0.75)2O4触媒について、エタノール水蒸気改質反応試験を24時間行ったところ、多くの炭素が析出することが分かった。この試料について、600℃の酸化雰囲気下で熱処理を行い、析出した炭素を除去した。酸化処理後の試料を用いて、再び同じ条件で反応試験を行うと、酸化処理前と比較して、高い水素収率が得られた。これらの触媒上に析出した炭素量を比べると、酸化処理後の試料の方が少なかった。したがって、酸化処理により触媒の性能・耐久性が向上することが示唆された。また酸化処理前の試料に比べ、酸化処理後の試料は高い比表面積を有していた。これが触媒性能向上の一つの要因である。 塩基性水溶液中における低級アルコール(メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール)のPt電極上での電気化学的酸化挙動観察を行った。2-プロパノールが最も低電位から酸化され始めた。2-プロパノールに着目し、貴金属電極上での酸化挙動について検討した。Pt/C、Pd/C上では酸化電流が確認されたのに対し、Ru/C上では反応が進行しなかった。酸化反応が進行したPt/CとPd/Cを比較すると、Pt/Cの方が酸化開始電位が低かったが、定電位保持における性能低下はPt/Cの方が顕著であった。ATR-IR測定により酸化挙動を解析した結果、両電極上でアセトン吸着種が生成し、Pt電極上ではさらに脱水素反応が進行したエノラート吸着種が経時的に蓄積し、性能低下の原因となっていることが示唆された。また、アセトン存在下における電気化学測定では、Pd/C電極に比べ、Pt/C電極で著しい性能低下が確認され、2-プロパノール酸化反応時と同様、エノラート吸着種生成が活性表面積の減少を引き起こしていると示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
塩基性条件下における低級アルコールの酸化挙動の検討を進めている。エタノール水蒸気改質に関する研究については順調に遂行されている。
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今後の研究の推進方策 |
塩基性電解質中におけるアノード上でのメタノールやエタノール燃料の酸化挙動を調べる。ATR-IR分光法を用いた中間体や最終生成物の同定を行い、酸化機構の解明を行う。幅広い電極触媒材料をATR-IR分光法に採用する手法を確立し、それぞれの電極材料上で進行する反応過程の違いを検討する。 Bサイト金属をAl:Fe = 1:3としたNi(Al0.25Fe0.75)2O4触媒を用いたエタノール水蒸気改質において、長期運転時に炭素析出により活性が低下した。酸化処理により析出炭素を除去したところ、酸化処理前後で触媒の改質性能の向上や析出炭素量の減少が認められた。今後、これらの処理前後の触媒の性質の変化をもたらす要因を解明する。また、より適切な酸化処理条件の検討を行い、エタノール水蒸気改質触媒の設計指針や再生方法を提案する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画を少し見直したため。
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次年度使用額の使用計画 |
ATR-IR分光法によるアルコール燃料の電気化学的酸化挙動解析のための消耗品の購入に使用する。
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