研究課題/領域番号 |
25289290
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
梅津 光央 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70333846)
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研究分担者 |
長峯 邦明 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00551540)
松井 淳 山形大学, 理学部, 准教授 (50361184)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 抗体 / MEMS / ナノバイオ |
研究実績の概要 |
本研究では、抗体の分子認識場を、電気・光・熱などの物理的刺激によって界面構造が変化する「動的な」有機・無機材料表面まで拡張し、その構造変化によって親和性が応答するダイナミック抗体の取得を行う。そして、外的信号によってバイオ分子を繰り返しキャッチ&リリースできる動的躍動なバイオMEMS を提案する。 そのために、本年度では、昨年度取得した結合陽性ペプチドから高機能性抗体への進化させるために、ラクダ抗体の結合機能ドメインにあるCDR ループの一つ(CDR1)を昨年度取得したペプチド配列に交換し、ペプチドと同程度の結合力を抗体に付与させた。その後、他のCDR ループ(CDR3)をランダム化した抗体断片をファージへ提示させ、標的が固定化されている基板を用いて、抗体の生体外選択を行った。その結果、目的標的へ高親和に結合する抗体分子の取得に成功した。 次に、取得した抗体を用いて、単純な溶液フロー操作により、複数種の蛋白質を基板上の適切な位置へ各々配置し、かつ、蛋白質を自在にキャッチ&リリースできる手法の開発を試みた。研究代表者が実績を持つ抗体ドメイン融合設計技術を利用して、緑・赤・黄色発光の蛍光蛋白質の末端へ抗体を融合した組換え蛋白質を大腸菌にて調製した。そして、基板上へ展開したところ、蛋白質は自発的に固定化され、さらに、外部刺激や溶液組成の変化によって、蛋白質をキャッチ&リリースさせることに成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
MEMS基板のの作製に若干の遅れがあるが、蛋白質の脱着システムは構築することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
MEMS基板の作製を検討していくと共に、抗体の機能をより高機能化していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
MEMS基板の作製が少し遅れているため、それに必要な物品費購入が遅れているため。
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次年度使用額の使用計画 |
翌年度分の請求にはMEMS基板の物品費は多くは含まれていないため、当該助成金を用いて購入する。
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