研究課題/領域番号 |
25289292
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
本多 裕之 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70209328)
|
研究分担者 |
大河内 美奈 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70313301)
加藤 竜司 名古屋大学, その他の研究科, 准教授 (50377884)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | ペプチド / ライブラリー / 細胞アレイ / 探索 / 分析 |
研究概要 |
平成25年度 本年度は以下の成果が得られた。 1)細胞膜透過性ペプチド(CPP)の細胞内透過効率の検証 既報の細胞膜透過性ペプチド(CPP)を使用し、フォトリンカーを結合させた可溶化可能CPP(CPP-PL)をメンブレン上に合成し、細胞を使った細胞内透過性の評価を行った。CPPとしてアルギニン8残基(R8)ペプチドを使用し、GABAをリンカーとして用い、各種の3残基ペプチドを結合させ、細胞内導入の程度を評価した。。96ウェルプレートに播種した線維芽細胞やがん細胞に対して蛍光色素つき遊離ペプチドを投与し、共焦点レーザー顕微鏡(学内共同利用機器を使用)で観察し確認した。等電点と疎水度で3残基ペプチドを評価したところ、塩基性アミノ酸を含む3残基ペプチドでは導入効率が低下するものが確認できた。また、KKKやRRRなど正電荷に富むトリペプチドが付加されることによってより細胞膜表面受容体との相互作用が強まり、導入効率が向上することも確認できた。等電点ー疎水度マップから、疎水性や正電荷に富む配列は導入量が多く、負電荷に富む配列は導入量が少ないという結果が確認できるが、AVR やPPK など本来なら導入量が向上してもいいような性質を持つトリペプチドで導入量が減少するという新規の結果も得られた。 2)細胞アレイの画像解析評価 細胞アレイで観察できる細胞/スフェロイドの画像解析による数値化を行った。異種細胞としてがん細胞と血管内皮細胞の共培養を実施した結果、血管内皮細胞から80μm以内に存在するがん細胞は、内皮細胞に沿って盛んに増殖する様子が確認できた。この内皮細胞近傍がん細胞の挙動を阻害することで新規の抗がん剤を開発できることが示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
CPPによる細胞内導入系が構築でき、3残基ペプチドの定量的評価が可能になった。また等電点ー疎水度マップで概要が整理できることがわかったため、4残基以上のペプチドに対しても適用可能と考えられる。画像評価法もμmオーダーの精緻な定量的評価が可能になった。
|
今後の研究の推進方策 |
計画通り細胞内導入ペプチドの評価を実施する。がん細胞や筋芽細胞などの正常細胞を対象にした機能性ペプチドの探索を目指す。
|
次年度の研究費の使用計画 |
節約により物品費使用額が減額できた。 精緻な分析に使用するため蛍光マイクロプレートリーダーを購入する必要に充当する。
|