研究課題/領域番号 |
25289323
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研究機関 | 独立行政法人海上技術安全研究所 |
研究代表者 |
正信 聡太郎 独立行政法人海上技術安全研究所, 海洋開発系, グループ長 (80373413)
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研究分担者 |
藤原 智 独立行政法人海上技術安全研究所, 海洋開発系, 研究員 (70511591)
高野 慧 独立行政法人海上技術安全研究所, 海洋開発系, 研究員 (90636820)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 海洋工学 / 海底鉱物資源 / 大水深スラリー移送 / Flow Assurance / 傾斜管 / 動揺管 |
研究実績の概要 |
海底熱水鉱床等の鉱物資源開発において、深海底で掘削された鉱物を洋上の採鉱母船にスラリー移送する揚鉱システムが検討されているが、世界的に開発事例がなく、揚鉱システムの設計技術の確立が急務となっている。本研究の目的は、当該システムの各構成要素の設計時に必須となる、スラリー流量、圧力損失、鉱石の管内閉塞を回避するための管内Flow Assuranceの評価等を行うための、動揺・傾斜する揚鉱管内における鉱石スラリー移送流の評価手法を開発することである。 当該年度は、前年度に構築したスラリー移送流モデルを適用して、管傾斜の影響を考慮したスラリー移送流の評価プログラムを開発した。 次に、管動揺の影響を考慮したスラリー移送流モデルについて検討した。具体的には、流体中の固体粒子の運動方程式について過去の研究を調査し、スラリー移送流モデルとして、One-way coupling手法に基づく運動方程式を採用することとした。また、揚鉱システムの動揺条件等を調査して、揚鉱管システム設計に求められる動揺に関する前提条件を整理した。整理した前提条件をもとに、前年度に製作したスラリー移送試験装置の傾斜部を可動式に改造して動揺管のためのスラリー移送試験装置を製作した。移送試験及びスラリー移送流モデルの比較・検証は次年度に実施する計画である。 さらに、管内スラリー流動と水中線状構造物の連成挙動に関する文献調査を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
動揺管に対するスラリー移送試験を当該年度に実施することを計画していたが、試験装置の見直しが必要になり、装置製作までしか達成できなかったため。見直しの内容は次のとおり。 当初は、動揺管としてフレキシブル配管を用いることを計画していたが、試験計画等を検討した結果、曲り部が発生するフレキシブル配管でなく、直管部を動揺させた試験を実施して基本的な特性を把握することが重要であると考えた。そのため、動揺管には直管を採用するとともに、当該管を動揺させるために必要な支持機構や配管長等を見直した。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画よりやや遅れているが、次年度に試験の実施及びスラリー移送流モデルの比較・検証は達成できる見込みであるので、特段の研究計画の変更は必要ないと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度に高速度カメラを購入したが、接写リング等レンズ周りの物品については、動揺管に対するスラリー移送試験装置の詳細配置が固まっていなかったため、購入しなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
当該年度末にスラリー移送試験装置の詳細配置が固まったので、次年度にレンズ周りの物品の購入に充てる予定である。
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