• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2014 年度 実績報告書

セルオートマトン法に基づくフジツボ類の船体付着確率と侵入確率予測手法の研究

研究課題

研究課題/領域番号 25289326
研究機関独立行政法人海上技術安全研究所

研究代表者

亀山 道弘  独立行政法人海上技術安全研究所, その他部局等, 研究員 (40373427)

研究分担者 菅澤 忍  独立行政法人海上技術安全研究所, その他部局等, 研究員 (40371091)
宮田 修  独立行政法人海上技術安全研究所, その他部局等, 研究員 (10450678)
小野 正夫  独立行政法人海上技術安全研究所, その他部局等, 研究員 (80399526)
今里 元信  独立行政法人海上技術安全研究所, その他部局等, 研究員 (80443240)
櫻井 昭男  独立行政法人海上技術安全研究所, その他部局等, 研究員 (20373417)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード越境移動 / フジツボ / 船体付着 / 防汚塗装 / 確率予測 / プログラム
研究実績の概要

船体付着によるフジツボ類の越境移動確率の解析プログラムを開発するため、(1)船舶の航海情報の入力データ作成プログラム、(2)浸漬試験による防汚塗膜の劣化評価とシミュレーションモデルの検討、(3)フジツボ類の付着・生存・生息の確立モデルを作成するためのフジツボ類の生態特性等の調査等を行い、越境移動確率の解析プログラムの改良と検証用データを得るための実船調査を実施した。
(1)越境移動確率の解析プログラムの開発では、船体付着によるフジツボ類の越境移動確率の解析プログラムの入力データである船舶の航海情報を航海記録(アブログ等)に基づいて作成するプログラムを開発した。
(2)浸漬試験による防汚塗膜の劣化評価とシミュレーションでは、船体へのフジツボ類の付着状況を把握するため、防汚塗料を塗布した試験片を対象に、実海水に長期間(約2.5年間)浸漬させ、フジツボ類が付着する平均的な日数等を把握した。このフジツボ類が付着した長期浸漬試験片の表面粗さ、防汚剤(銅)の分布状況とその溶出速度の計測等を行い、フジツボ類が船体に付着する確率モデルの基礎データを得た。これらの知見に基づいてセルオートマトン法による防汚塗膜の劣化シミュレーションの基礎モデルの検討を進めた。
(3)フジツボ類の生態特性として、胚の発生所要日数を明らかにするために、ココポーマアカフジツボを対象に計測方法を検討し、試験的に10月(水温23℃)に試験的な調査を行い、調査時の抱卵率:約31%、産卵周期:約10日、胚の発生所要日数:約3日程度等の調査結果を得る等、調査・計測方法を構築した。また、主に国内を航行する船舶のフジツボ類の船体付着状況の調査を行った。本実船調査でココポーマアカフジツボの付着は確認できなかったが、他のフジツボ類の付着が確認でき、越境移動確率の解析プログラムの検証用データを得ることができた

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

防汚塗膜の劣化シミュレーションの開発には、定期的な間隔(3か月)で長期間(2年程度)、実海水により劣化させた防汚塗膜した試験片が必要となる。そのため、様々な劣化状態を把握するために種類の異なる防汚塗料の入手や浸漬開始前の防汚塗膜の基礎データの計測等の準備に時間を要しため、浸漬試験の開始が遅れた。その結果、本年度中に防汚塗膜の劣化状態を確認できるサンプル数が少なく、劣化現象のモデル化に必要なデータの取得が十分でないため、防汚塗膜の表面凹凸や防汚剤(銅)の塗膜内の分布を予測する防汚塗膜の劣化モデルの開発に遅れが生じている。

今後の研究の推進方策

浸漬試験が順調に進んでいるため、当初の研究計画どおりに研究を進める。ただし、防汚塗装の劣化シミュレーションの開発は、研究の達成度にやや遅れがみられるため、浸漬試験と試験片の分析計画の見直しを行うとともに、越境移動確率解析プログラムのコーディング作業の委託時期をの早期化や委託範囲の見直し等を行い、防汚塗装の劣化モデルの開発に研究者の作業エフォートを集中することで、研究計画の遅れの回復を図る。

次年度使用額が生じた理由

防汚塗装の凹凸等の劣化度合いによるキプリスの付着への影響を明らかにするため、劣化した防汚塗装の表面へのフジツボ類の幼生(キプリス)の付着試験を実施する予定であったが、新たな防汚塗装の試験片の準備に時間を要し、実海域での浸漬開始が7月と遅れたことで、キプリス付着試験で使用する劣化した試験片の入手が遅れた。その結果、キプリス付着試験を行う実海水の水温が低くなり、適正な環境での付着試験の実施ができなくなり、付着試験の実施を次年度への先送りしたため、次年度使用額が生じた。

次年度使用額の使用計画

劣化した防汚塗装の試験片が順調に入手できたため、キプリス付着試験を次年度に実施し、次年度使用額を当所の研究計画どおり、キプリス付着試験に使用し、研究計画の遅れの回復を図る。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] フジツボ類の付着と防汚剤の溶出速度に関する実船調査2014

    • 著者名/発表者名
      小野正夫、亀山道弘、宮田修、菅澤忍、櫻井昭男、今里元信、他
    • 学会等名
      平成26年度海上技術安全研究所 研究発表会
    • 発表場所
      海上技術安全研究所
    • 年月日
      2014-06-24 – 2014-06-25

URL: 

公開日: 2016-06-01  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi