研究課題
1. 徳沢氏と渡辺が協力して、平成26年度の実験開始に間にあうように平成25年度中に製作した送受信アンテナをLHD真空容器内に設置した。昨年度、製作を保留していた4チャンネル分の計測器も製作し、上記の作業と合わせて、LHDに取り付けた。LHD実験にミリ波反射計測を適用し、計測の最適化やデータ収集の整備を行い、磁場強度1~1.5T、プラズマ密度20~40兆個/ccのプラズマの搖動分布を計測した。密度搖動分布の空間分布をいくつかの放電で計測し、初期的な結果を学会等で発表した。現在、密度搖動強度の絶対値校正実験の準備を進めてている。2. 佐藤氏を中心としてFREMSコードの改修を続け、LHDの典型的な放電に対して、圧力の搖動分布の解析を行った。初期的な実験結果と比較し、モード幅の予測値はほぼ実験と同程度であることを確認した。3次元効果によるモード幅の修正程度を見積もるために、3次元体系に対する抵抗性MHD不安定性解析コード、FAR3D [L.Garcia, in Proc. 25th EPS Int. Conf. (Prague, Czech Republic, 1998) vol 22A, Part II p 1757]とのベンチマークを行った。3次元効果を考慮するとモード幅が20%程度大きくなったり、プラズマのパラメータによっては、他のフーリエ成分を持つ搖動分布が同時に現れることを確認した。
2: おおむね順調に進展している
初期に設定した項目がほぼ予定通り進展しているため
1. 密度搖動計測の絶対値校正実験を行うことにより、定量的な値として密度搖動強度空間分布、小半径方向変位分布のプラズマパラメータ依存性データベースを作成する。その結果を磁場搖動強度や電子搖動分布等と比較して、MHD理論モデルと計測結果との最適な比較手法について検討を行う。2. 佐藤氏と渡辺が協力して、FREMSコードを使ってベータ値、磁気レイノルズ数、磁気丘高さ、磁気シア強度をパラメータサーベイし、非線形飽和時の不安定性の内部構造とプラズマ外部での磁場揺動強度が、どの程度影響を受けるかを調べる。3. 渡辺、徳沢氏、榊原氏が協力して、幅広いベータ値と磁気レイノルズ数を持つプラズマパラメータ領域に対して、磁場揺動とミリ波反射計による電子密度揺動を系統的に取得し、データベース化する。電子密度揺動の内部構造と電子圧力分布の系統的な比較を行い、低次のMHD不安定性のLHDプラズマの閉じ込め性能に与える影響についての解析を、渡辺を中心に行う。4. 2.,3.の比較をもとに、非線形飽和状態の理論予測のモデル化を行い、その結果を核融合炉と同等の高ベータ、高磁気レイノルズ数プラズマに適用し、低次の抵抗性交換型MHD不安定モードのプラズマ閉じ込めへの影響のシミュレーションを行うとともに、研究課題のまとめを行う。
当初計画では、実施した出張以外に、国際学会への参加と海外研究施設での情報収集を行う予定だったが、学務/業務との調整がつかず、出張を断念した。
平成27年度に、国際学会への出席と海外研究施設での情報収集業務を予定する。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件)
Phys. Plasmas
巻: 9 ページ: 092505_1-9
10.1063/1.4895499
巻: 5 ページ: 055904_1-6
10.1063/1.4876619