研究課題/領域番号 |
25289342
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研究機関 | 核融合科学研究所 |
研究代表者 |
渡辺 清政 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 教授 (00249963)
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研究分担者 |
佐藤 雅彦 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 助教 (80455211)
徳沢 季彦 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 准教授 (90311208)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 交換型不安定生性 / ヘリカルプラズマ / ミリ波干渉計 / 非線形飽和 |
研究実績の概要 |
1. 平成26年度までにLHD実験で習得したミリ波反射計による交換型不安定性の搖動計測値の校正手法の開発が進み、従来、軟X線の搖動分布計測で得られていた搖動振幅の1/4の大きさをもつ不安定性の内部構造を同定することに成功した。その結果、従来より搖動強度が小さい領域でも、内部揺動の振幅とプラズマ外部で計測した磁場搖動強度の振幅は比例関係にあること、内部搖動の広がりは磁場搖動強度にはほとんど相関しないこと、小半径方向の構造は線形解析で予測されるモード構造と矛盾しないことが明らかになった。 2. 外部共鳴摂動磁場は、交換型不安定性の飽和搖動強度に強い影響を与えることが知られているが、その影響は共鳴有理面付近の圧力勾配の変化を通してではなく、摂動磁場の境界条件を通して影響を与えている可能性が高いことがLHDの実験解析で示された。 3. マイナーコラプスを起こすような放電で観測される不安定性(ロックトモード様不安定性)の内部搖動の小半径方向の構造に、搖動強度の反転面があることを発見した。これは、ロックトモード様不安定性では、磁気島が形成されていることを示唆しており、通常の交換型不安定性と異なる内部構造を持つことが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成27年度、LHD(大型ヘリカル装置)の実験が行えなかったため、不安定搖動強度の低いプラズマに対してのミリ波を使った不安定性の内部構造と磁場計測の相関を調べるための実験データが取得できなかったため
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今後の研究の推進方策 |
1. 平成27年度はLHDでの実験ができなかったので、最終年度である28年度も引き続き、LHD実験において、幅広いベータ値と磁気レイノルズ数を持つプラズマパラメータ領域に対して、磁場揺動とミリ波反射計による電子密度揺動を系統的に取得する。また、これまでの実験データを再解析し、磁場搖動強度とプラズマ揺動の内部構造特性(モード幅や振幅)、電子圧力分布の劣化度や劣化範囲の系統的な比較を行い、低次のMHD(電磁流体力学的)不安定性のLHDプラズマの閉じ込め性能に与える影響知見をまとめる。また、外部共鳴摂動磁場やプラズマフローの不安定性内部構造に与える影響についてのデータ取得も試みる。 2. FREMSコード(円柱体系における簡約化自由境界不安定性解析コード)を使って、非線形飽和時の不安定性の内部構造とプラズマ外部での磁場揺動強度が、どのような関係を持つか、幅広いベータ値、磁気レイノルズ数、磁気丘高さ、磁気シア強度のプラズマに対して解析を行う。また、外部共鳴摂動磁場やプラズマフローの不安定性内部構造に与える影響についての解析も行う。 3. 2.を元に、非線形飽和状態の理論予測のモデル化を行い、その結果を核融合炉と同等の高ベータ、高磁気レイノルズ数プラズマに適用し、低次の抵抗性交換型MHD不安定モードのプラズマ閉じ込めへの影響のシミュレーションを行うとともに、研究課題のまとめを行い、成果を発表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
LHDの実験が行われなっかたため、データ収集世の計算機の購入を後ろ倒しにしたため。 また、参加予定の国際学会が、日程が合わずに参加できなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
年度の前半で計算機の購入と、研究動向調査のための海外出張を行う。
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