研究課題
1. 平成26年度までにLHDに設置したミリ波反射計によるプラズマ速度の空間分布の計測から、マイナーコラプスを起こすような放電で観測される不安定性(ロックトモード様不安定性)発生時に共鳴有理面付近で速度がゼロになる領域が観測された。これは、磁気島の形成を示唆し、通常の交換型不安定性と異なる内部構造を持つことが分かった。また、ロックトモード様不安定性発生時の周波数減少時のプラズマフローの計測結果より、不安定性の揺動はEXBドリフトとともに回転しており、周波数の減速は、前半は共鳴有理面が径電場が小さい領域に移動すること、後半は径電場自体が小さくなることで起こることを明らかにした。また、回転変換や電子の密度、温度分布の計測結果を基にロックトモード様不安定性発生時のMHD平衡を再構築し安定特性を数値的に解析した結果、ロックトモード様不安定性発生時には、交換型不安定性の安定性指標であるメルシエ条件が大きく不安定化するだけでなく、テアリング不安定性の安定性指標であるΔ'も大きく不安定化していることが分かった。2. LHDではECE(電子サイクロトロン放射)を使った電子温度の揺動観測からも不安定性の空間構造の観測を行っている。3次元の磁場配位構造を持つLHDにおいては、不安定性の空間構造を複数の視線での揺動測定が望まれる。一方、既設のECE計測装置はミラーを用い設置に広い空間を必要とし、複数設置することが困難である。そこで、金属レンズで直線型のコンパクトなECE受信システムを設計し、既設型のミラー方式のECE計測装置と同等の空間分解能を備えることができるかの検討を行った。LHDの典型的な実験条件(中心磁場1.5T)で利用するWバンド(75~110GHz)帯の電磁波について、レンズの設計と試作、性能試験を通じて、金属レンズでコンパクトなECE受信システムが構築可能なことを実証した。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2017 2016 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)
Nuclear Fusion
巻: 57 ページ: 印刷中
10.1088/1741-4326/aa6d26
Plasma and Fusion Research
巻: 12 ページ: 印刷中
Plasma Phys. Control. Fusion
巻: 58 ページ: 094002-1,-5
10.1088/0741-3335/58/9/094002