研究課題
本研究の目的は、原子力発電プラントの世界的な超長期利用を念頭に、高中性子照射量領域における原子炉圧力容器鋼の照射脆化と電磁気特性の相関データベースの構築、並びに、電磁気特性変化のメカニズム解明を行うことにより、高照射量領域における照射脆化の電磁気的非破壊評価の適用可能性を検証し総括する長期プロジェクトである。平成29年度は、高照射量中性子照射した試験片について磁気計測を行うと共に、中性子小角散乱実験によりナノスケール析出物の形成過程を調べた。具体的には以下の3点を行った。1.ベルギー材料試験炉BR2から東北大学金属材料研究所・大洗施設に移送後、放射化レベル低減のため長期保管を行っていた中性子照射材について、平成28年度は照射まま試料で予備的磁気測定を実施した。平成29年度は、照射条件が異なるA533B型圧力容器鋼とロシア型VVER圧力容器鋼の約80片の試験片について、機械研磨および電解研磨を行い、酸化層を取り除いた試料について、磁気マイナーループ測定、メジャーループ測定、初磁化率測定を実施した。2.1の研磨済みの照射材63片、及び、未照射材18片を、ドイツHeinz Maier-Leibnitz Zentrum, Julich Centre for Neutron Science (JCNS)へ輸送し、中性子小角散乱実験を行い、ナノスケール析出物形成の照射量、組成依存性を調べた。実験後、測定試料は東北大学金属材料研究所・大洗施設へ移送した。3.米国・カリフォルニア大学及びハンガリー原子力研究所の研究協力者との議論を通した知見をもとに、長期熱時効材、中性子照射材の磁気測定結果及び中性子小角散乱実験の成果発表(国内・国際会議等)を行った。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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AIP Advances
巻: 8 ページ: 056720-1-5
https://doi.org/10.1063/1.5007349