金属などの結晶材料に放射線が入射すると照射欠陥が形成される。照射欠陥の発達挙動は照射環境や材料の違いにとても敏感であり、その性質を知るには膨大な照射試験が必要とされてきた。本研究は、面心立方金属の材料の代表例としてステンレス鋼や金、体心立方金属の代表例として鉄基希薄合金を取り上げ、複数のイオン照射を組み合わせた照射実験と組織観察により、①制御された欠陥構造を導入したり、②通常の照射試験では可視化できない潜在的な欠陥を観察したり、③照射欠陥の発達挙動を微分的に測定したりすることに成功した。また研究を通して、全国大学共同利用設備の震災復興に貢献した。
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