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2015 年度 実績報告書

スペクトラム拡散法を用いた曲流路探傷式高精度超音波流量計測システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 25289353
研究機関東京工業大学

研究代表者

木倉 宏成  東京工業大学, 原子炉工学研究所, 准教授 (00302985)

研究分担者 古市 紀之  国立研究開発法人産業技術総合研究所, その他部局等, 研究員 (10334921)
小池 義和  芝浦工業大学, 工学部, 教授 (30251672)
村川 英樹  神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (40467668)
都築 宣嘉  一般財団法人エネルギー総合工学研究所(原子力工学センター), その他部局等, その他 (50578151)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワード計測工学 / 原子力エネルギー / 流体工学 / 超音波 / 流量計測
研究実績の概要

スペクトラム拡散を用いた際の超音波の金属壁透過では,壁厚さに対する超音波入射条件の選択が必要であり,最適入射条件は配管壁の材質,厚さおよびセンサの設置角度,発振周波数などが透過率に依存するため,前々年度・前年度に引き続き,音場解析にもとづく透過実験を行った。また,前年度設計・製作した測定部を用いて垂直円管流路実験および水平曲管流路実験を行った。フェイズドアレイ技術を応用した簡単な超音波探傷実験を行い,曲がり管での探傷効果を評価した。前年度改良したフェイズドアレイ流速分布計測システム(UVPf)を用いて水平円管流路内速度分布計測を行い,UVPfの有効性を確認した。実機適用条件の高温条件に適用するための,超音波センサの基本設計を検討した。高温計測には,センサに使用する音圧素子の高温対応と,遅延材を冷却して測定する冷却方法を検討した。ここで,遅延材による冷却実験には,センサ感度の温度依存性,遅延材料,遅延材形状,遅延材長さおよび冷却方法を調べるための予備実験を行った。また,音圧素子の高温対応に関しては,キューリ温度の高いニオブ酸鉛等を用いたセンサの感度応答を調べ,常温センサ冷却と高温用センサ使用で銅鑼が優位であるか調べ,実機適用性を調査した。実機に近い条件で実験を行うための産業技術総合研究研所有の実験流路の前年度予備調査に加え,現地調査を行い,現場適用に向けたシステム設計を検討した。計測結果を基に超音波流量計の流量計測における不確かさ評価として,レイノルズ数依存性,温度圧力依存性,上流攪乱要素の影響(偏流,助走区間等) ,配管内面粗さの影響等を検討した。なお,速度分布計測結果にデータ欠損が多い場合は,ディエイリアッシングやフィッティング手法を用いて補正をすることを考えた。また,この場合の不確かさ評価を検討した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

本研究は,超音波パルスの発信信号に変調を施し,自己相関性の高いパルス波を用いる事によって,エコー信号のSN比を高めて高空間分解能を達成するスペクトラム拡散技術を超音波流速分布計測法に取り入れると共に,フェイズドアレイ技術を応用した超音波探傷と流速分布計測の同時計測により,発電プラント等で用いられている複雑配管(曲がり管)の安全性向上と高精度流量計測を可能とするスペクトラム拡散法を用いた曲流路探傷式高精度超音波流量計測システムを開発する事を本研究の目的としており,中でも,フェイズドアレイ技術を用いた新しい計測手法に着目し,曲流路の高精度な流量計測のためには,曲流路および曲流路後流におけるベクトルマップ計測が有効であることを見いだし,ベクトルマップ計測を可能とするフェイズドアレイベクトルマップ法の新知見を得た。また,UVPfの瞬時流速分布の計測データからオンラインで流量を求めるソフトなど流量計測システムとして必要なソフトを整備できた。本実験には2つのリニアアレイセンサを利用するが,実験装置に適合したセンサを新たに設計する事が出来た。現有のUVPfのドップラ法による信号処理アルゴリズムでは,測定分解能に限界があるため,超低速から超高速まで広範囲に測定可能な位相差アルゴリズムを構築するとともに,現有の超音波パルサ/レシーバと高速デジタル信号処理装置を用いて,超音波時間領域相関法と位相差法を用いた計測システムを構築できた。

今後の研究の推進方策

曲流路の高精度流量計測に必要な多側線ベクトルマップ計測を可能とする,フェイズドアレイベクトルマップ法の新知見を得たため,その計測技術を検討するため追加実験を行い,実験結果と解析結果をまとめる。また,前年度に引き続いて,計測結果を基に超音波流量計の流量計測における不確かさ評価として,レイノルズ数依存性,温度圧力依存性,上流攪乱要素の影響(偏流,助走区間等) ,配管内面粗さの影響等を検討する。なお,速度分布計測結果にデータ欠損が多い場合は,ディエイリアッシングやフィッティング手法を用いた補正手法の高度化を検討すると共に,実機適用条件の高温条件に適用するための,超音波センサの基本設計を再検討し,高温計測には,センサに使用する音圧素子の高温対応と,遅延材を冷却して測定する冷却方法の高度化を検討する。

次年度使用額が生じた理由

曲流路の高精度な流量計測のためには,曲流路および曲流路後流におけるベクトルマップ計測が有効であることを見いだし,ベクトルマップ計測を可能とするフェイズドアレイベクトルマップ法の新知見を得たため,その計測技術を検討するための追加実験を行い,実験結果と解析結果をまとめることが必要になったため。

次年度使用額の使用計画

研究の取りまとめに必要な人件費と消耗品費として使用する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2015 その他

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件) 備考 (1件)

  • [学会発表] Flow Mapping in Two-phase Swirling Flow using Ultrasonic Array Sensors2015

    • 著者名/発表者名
      Ari HAMDANI, Tomonori IHARA and Hiroshige KIKURA
    • 学会等名
      10th International Symposium on Advanced Science and Technology in Experimental Mechanics (ISEM2015)
    • 発表場所
      Matsue, Japan
    • 年月日
      2015-11-01 – 2015-11-04
    • 国際学会
  • [学会発表] Flow Mapping in Swirling Flow using Ultrasonic Array Sensor2015

    • 著者名/発表者名
      Ari HAMDANI, Tomonori IHARA and Hiroshige KIKURA
    • 学会等名
      9th International Symposium on Measurement Techniques for Multiphase Flow (ISMTMF2015)
    • 発表場所
      Sapporo, Japan
    • 年月日
      2015-09-23 – 2015-09-25
    • 国際学会
  • [備考] 東京工業大学木倉研究室

    • URL

      http://www.nr.titech.ac.jp/~kikura/

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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