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2013 年度 実績報告書

イオン選択性に優れた次世代チャネルロドプシンの創出とオプトジェネティクスへの応用

研究課題

研究課題/領域番号 25290002
研究種目

基盤研究(B)

研究機関東北大学

研究代表者

石塚 徹  東北大学, 生命科学研究科, 講師 (10344714)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードチャネルロドプシン / オプトジェネティクス / 光遺伝学 / イオンチャネル
研究概要

チャネルロドプシン2 (ChR2) の第2膜貫通ヘリックス (TM2) に見られるE82, E83, E90, E97, E101の5つのグルタミン酸残基は,イオンチャネル機能に関わる重要なモチーフのひとつと考えられている。しかし,Mesostigma viride由来のチャネルロドプシン (MChR1) では,ChR2のE83に相当するアミノ酸がバリンに,E97に相当するアミノ酸がアラニンに置き換わっている。ChRのイオン透過・透過イオン選択メカニズムを明らかにし,透過イオン選択性に優れたチャネルロドプシン改変体を創出する上で,このモチーフの機能の差異を明らかにすることが重要と考え,この5つのグルタミン酸残基が透過イオンと相互作用することで,イオン透過や透過イオン選択性が規定されているとの仮説の検証を試みた。MChR1改変体の作製では,ホールセルパッチクランプ電流記録下において,野生型のMChR1と比較して,約10倍の大きさの光電流が得られる改変体の作製に成功し,これによりMChR1の光電流特性の詳細な解析が可能になった。この改変体を用いて,Gd3+による光電流抑制効果を調べたところ,ChR2のE97に相当するアラニンをグルタミン酸に置換した点変異体では,Gd3+の結合が高親和性にシフトすることがわかった。一方で,発生する光電流の大きさは,この置換によって約1/15倍に減少した。これらの結果は,TM2に保存されている5つのグルタミン酸残基は,透過イオンと相互作用することで,イオン透過や透過イオン選択性を規定しているとの仮説と矛盾しない。一方,ChR2の構造-機能解析では,透過イオン選択フィルターをして機能していると考えられる新たなアミノ酸残基を発見した。これらは,透過イオン選択性に優れたチャネルロドプシンの創出につながる可能性のある発見である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の研究計画通りに進行していることに加えて,ChRの構造-機能解析において,本研究目標の達成に関わる新たな発見もあり,本研究課題は順調に進行していると判断できる。

今後の研究の推進方策

当初の研究計画はもとより,ChRにおいて,イオン選択フィルターとして機能していると考えられる新たなアミノ酸残基を発見できたことは,本研究計画を遂行する上で大きな進展となり得る。次年度では,当初の研究計画に加えて,新たに発見したChRのアミノ酸残基の機能についても鋭意検証していく。

次年度の研究費の使用計画

研究計画当初購入を予定してた機器の購入見送りにより,次年度使用額が発生したが,これによって研究計画に遅れが生じるものではない。
試薬や培養用プラスチック器具購入等の物品費に充当する。

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公開日: 2015-05-28  

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