研究課題
1. 膝状体外視覚系ニューロンによる顔属性の識別機構:サルを用いて、5人のモデルの顔写真に対する上丘ニューロンの応答を記録し、応答を潜時500msまで50msずつ10区間に分割して経時的に多次元尺度分析(MDS)により解析した。その結果、第1エポック(0-50 ms)および第2エポック(50-100 ms)において顔方向(正面 vs. 側面)、男女差、および個人の違いを符号化していることが明らかになった。さらに第1-2エポックの応答潜時が大脳皮質より早いことから、上丘における顔情報処理はbottom-up による神経機構に基づくと推察された。2.膝状体外視覚系ニューロンのガンマオシレーションによる顔情報処理の神経機構:顔写真呈示中のサル上丘ニューロンの活動を記録し、視覚刺激応答ニューロンの刺激呈示前後の1秒間におけるガンマオシレーション(30-80 Hz)を解析した。その結果、上丘ニューロン活動におけるガンマオシレーションの強度および周波数が課題正答率と正相関することが明らかになった。3. 膝状体外視覚系ニューロンによる恐怖表情の情報処理機構:サルに顔画像を呈示し、サルおよびヒトの中性および表情画像、ならびに単純図形に対する上丘ニューロンの応答性を解析した。その結果、表情画像に対する平均応答潜時(55 ms)は、中性画像や単純図形に対する応答潜時より早く、また表情画像に対する応答強度は、単純図形に対する応答強度より強く、上丘は表情画像をbotton-up性に処理していることが明らかになった。4. 膝状体外視覚系ニューロンによるヘビ画像の情報処理機構:本研究では、ヘビ画像、顔画像、手画像、および単純図形に対する上丘ニューロンの応答を解析した。その結果、上丘ニューロンはこれらの画像に大脳皮質よりも早い潜時で応答し、とくにヘビ画像に強くかつ早い潜時で応答することが判明した。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Sci. Rep.
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