本研究では、マーモセットを霊長類のモデルに、聴覚皮質の領野区分と視床との神経結合を調べた。聴覚皮質に関して、コアーベルトーパラベルトのモデルが提案されている。本研究では、まずコア領域の領野構成を確認できた。一方、ベルトにおいて、新奇な領野を二つ発見した。その一つはトノトピーを持ち、MAL野と名付けた。もう一つは明確なトノトピーを持たず、NT野と名付けた。NT野は周波数情報を統合し、時間情報の処理に関わる可能性が考えられる。一方、聴覚視床と聴覚皮質結合の解剖学的特徴の一部も明らかにした。本研究の結果は霊長類聴覚野モデルを修正する必要性を示している。
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