モデル生物として注目されているショウジョウバエの睡眠覚醒制御機構を解析した。まず、学習・記憶に重要なNMDA型グルタミン酸受容体が睡眠制御にも働くことを示し、睡眠と記憶の関連について新たな可能性を示した。また、空腹時には睡眠が減るが、ハエの場合、人工甘味料でも睡眠が誘導された。一方、甘味だけでは睡眠が深くならなかった。このことから、甘味だけで睡眠は誘導されるが、睡眠の安定には栄養成分が重要なことが示された。また、ヒトでも睡眠を深める作用が知られているグリシンが、ハエでも強く睡眠を誘導することがわかり、ハエは人間の睡眠の良いモデル動物になることが確認された。
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