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2015 年度 実績報告書

触覚受容の分子基盤の解明

研究課題

研究課題/領域番号 25290008
研究機関青山学院大学

研究代表者

平田 普三  青山学院大学, 理工学部, 教授 (60402450)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード遺伝学 / 神経科学 / 遺伝子 / 脳・神経
研究実績の概要

触覚受容に関わる分子の機能理解を目指し、前年度に引き続き触刺激応答に異常のあるゼブラフィッシュ変異体を解析した。また、前年度に責任遺伝子を同定したRNF121変異体について解析を進め、正常個体ではRohon-Beardニューロンが活動するが、変異体では活動しないことを見出した。Rohon-Beardニューロンを電気生理解析をして、変異体では電位依存性ナトリウムチャネルに異常があり、活動電位を発生しないことを確認した。また、RNF121は小胞体に局在することが分かった。さらにRNF121は電位依存性ナトリウムチャネルNav1.6をユビキチン化して分解を促進することが分かった。電位依存性ナトリウムチャネルはNav1.6以外にScn1bというアクセサリーサブユニットと会合して働くことが知られており、以下の仮説が提唱された。Nav1.6は膜貫通ドメインを24個もつ巨大なタンパクで、タンパク質の折りたたみに異常を起こしやすく、小胞体において一定の確率で折りたたみ異常の不良品となる。RNF121は不良品Nav1.6をユビキチン化し、プロテアソームによる分解へ仕向けるので、正常に折りたたまれたNav1.6だけがゴルジ体へ輸送され、ゴルジ体でNav1.6はScn1bと会合し、細胞膜へ輸送される。しかし、RNF121変異体では不良品Nav1.6が分解されないまま小胞体に蓄積し、これがゴルジ体でScn1bと会合するが、その先細胞膜に輸送されることはなく、ゴルジ体に蓄積することになり、一方でScn1bは不良品Nav1.6に奪われ、結果的に正常に折りたたまれたNav1.6と会合できるScn1bが不足し、Nav1.6を細胞膜へ輸送することができなくなる。このことはRNF121という膜タンパク質がNav1.6に品質管理を行うことを示唆している。この研究は米国科学アカデミー紀要に論文発表された。

現在までの達成度 (段落)

27年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

27年度が最終年度であるため、記入しない。

次年度使用額が生じた理由

27年度が最終年度であるため、記入しない。

次年度使用額の使用計画

27年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 3件、 謝辞記載あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)

  • [雑誌論文] RING finger protein 121 facilitates the degradation and membrane localization of voltage-gated sodium channels.2015

    • 著者名/発表者名
      Ogino, K., Low, S. E., Yamada, K., Saint-Amant, L., Zhou, W., Muto, A., Asakawa, K., Nakai, J., Kawakami, K. Kuwada, J. Y. and Hirata, H.
    • 雑誌名

      Proc. Natl. Acad. Sci. USA

      巻: 112 ページ: 2859-2864

    • DOI

      10.1073/pnas.1414002112

    • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Neuromuscular regulation in zebrafish by a large AAA+ ATPase/ubiquitin ligase, mysterin/RNF213.2015

    • 著者名/発表者名
      Kotani, Y., Morito, D., Yamazaki, S., Ogino, K., Kawakami, K., Takashima, S., Hirata, H. and Nagata, K.
    • 雑誌名

      Sci. Rep.

      巻: 5 ページ: 16161

    • DOI

      10.1038/srep16161

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Mutations in SLC12A5 in epilepsy of infancy with migrating focal seizures.2015

    • 著者名/発表者名
      Stodberg, T., McTague, A., Ruiz, A. J., Hirata, H. et al.
    • 雑誌名

      Nat. Commun.

      巻: 6 ページ: 8038

    • DOI

      10.1038/ncomms9038

    • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [学会発表] ゼブラフィッシュを用いた運動器の遺伝学的解析2016

    • 著者名/発表者名
      平田普三
    • 学会等名
      第4回骨格筋生物学研究会
    • 発表場所
      松本大学
    • 年月日
      2016-03-05
  • [学会発表] Plasticity of glycinergic synapses and related behaviors in zebrafish.2015

    • 著者名/発表者名
      Hirata, H., Ogino, K., Yamada, K., Leacock, S. and Harvey, R. J.
    • 学会等名
      The 25th meeting of the International Society for Neurochemistry.
    • 発表場所
      Cairns Convention Center. Cairns, Australia.
    • 年月日
      2015-08-24
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 電位依存性ナトリウムチャネルの輸送におけるGPIアンカータンパク生合成の重要性2015

    • 著者名/発表者名
      平田普三
    • 学会等名
      第34回日本糖質学会年会
    • 発表場所
      東京大学安田講堂(東京)
    • 年月日
      2015-08-02
    • 招待講演

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公開日: 2017-01-06  

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