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2013 年度 実績報告書

高等哺乳動物を用いた脳神経系形成メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 25290013
研究種目

基盤研究(B)

研究機関金沢大学

研究代表者

河崎 洋志  金沢大学, 脳・肝インターフェースメディシン研究センター, 教授 (50303904)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード脳・神経
研究概要

霊長類や食肉類などの高等哺乳動物は、視覚系における眼優位性カラム(ODC)やM細胞系/P細胞系、大脳皮質における脳回やOSVZ (outer subventricular zone)、IFL (inner fiber layer)などといった特徴的な神経構築を持っている。これらの神経構築は機能的に重要であると信じられているものの、高等哺乳動物における遺伝学的解析が困難であったことから、その機能的重要性については不明な点が多い。そこで本研究でまず我々は、これまで選択的な遺伝子が見出されていなかったP細胞に特異的な遺伝子の探索を行い、フェレット及びサルの外側膝状体(LGN)において、転写因子FoxP2がP細胞に選択的に発現することを見出した。さらに遺伝子機能解析システムを立ち上げるために、子宮内電気穿孔法をフェレットに応用することにより、高等哺乳動物の脳神経系における遺伝子操作法を作成した。この方法を用いることによりほぼ全層の大脳皮質に遺伝子発現が可能であり、神経細胞形態の可視化も可能であった。複数種類の遺伝子も同一神経細胞に共導入することができる。高等哺乳動物の脳神経系で特に発達しているOSVZでの遺伝子発現も可能であることを見出した。さらに、これまで報告されていなかったIFLに相当すると思われる線維層がフェレットにも存在していることを見出し、その由来が大脳皮質2/3層神経細胞であることを見出した。今回我々が開発した方法は、高等哺乳動物に特徴的な神経構築の形成機構、生理的機能および異常病態のメカニズムの解明に有用である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

高等哺乳動物に特徴的な神経構築の遺伝子発現解析や、その機能解析を行うための技術開発が順調に進んでいる。さらにフェレットに特有の構築であるIFLの解析も進んでおり、順調である。

今後の研究の推進方策

高等哺乳動物に特徴的な脳構築に対応した発現パターンを持つ遺伝子に焦点を絞り、その機能解析を行う。

次年度の研究費の使用計画

ほぼ予定通りの使用となったが、339円が残ったため、次年度に有効活用することとした。
消耗品の購入に充てる。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] The development of suckling behavior of neonatal mice is regulated by birth.2014

    • 著者名/発表者名
      Toda T, Kawasaki H.
    • 雑誌名

      Molecular Brain

      巻: 7 ページ: 8

    • DOI

      10.1186/1756-6606-7-8.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Birth regulates the initiation of sensory map formation through serotonin signaling.2013

    • 著者名/発表者名
      Toda T, Homma D, Tokuoka H, Hayakawa I, Sugimoto Y, Ichinose H, Kawasaki H.
    • 雑誌名

      Developmental Cell

      巻: 27 ページ: 32-46

    • DOI

      10.1016/j.devcel.2013.09.002.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] FoxP2 is a parvocellular-specific transcription factor in the visual thalamus of monkeys and ferrets.2013

    • 著者名/発表者名
      Iwai L, Ohashi Y, van der List D, Usrey WM, Miyashita Y, Kawasaki H.
    • 雑誌名

      Cerebral Cortex

      巻: 23 ページ: 2204-2212

    • DOI

      10.1093/cercor/bhs207.

    • 査読あり
  • [学会発表] フェレットを用いた高等哺乳動物の脳神経系の分子遺伝学的解析

    • 著者名/発表者名
      河崎洋志
    • 学会等名
      第60回日本実験動物学会総会
    • 発表場所
      つくば国際会議場、つくば市
    • 招待講演
  • [学会発表] 子宮内電気穿孔法を用いたフェレット大脳皮質の形成過程解析

    • 著者名/発表者名
      河崎洋志、戸田智久、岩井玲奈
    • 学会等名
      第46回日本発生生物学会
    • 発表場所
      くにびきメッセ、松江市
  • [学会発表] 感覚神経形成の時空間的制御メカニズム

    • 著者名/発表者名
      河崎洋志
    • 学会等名
      第36回日本神経科学学会
    • 発表場所
      国立京都国際会館、京都市
  • [学会発表] Birth regulates the initiation of sensory map formation through serotonin signaling

    • 著者名/発表者名
      戸田智久、本間大悟、徳岡宏文、早川格、一瀬宏、河崎洋志
    • 学会等名
      包括脳夏のワークショップ
    • 発表場所
      名古屋国際会議場、名古屋市
  • [学会発表] Inner fiber layer-like structures revealed with in utero electroporation in ferrets

    • 著者名/発表者名
      Kawasaki H., Toda T., Iwai L., Tanno K.
    • 学会等名
      Annual Meeting of the Society for Neuroscience
    • 発表場所
      San Diego Convention Center, San Diego, USA
  • [備考] 研究室のホームページ

    • URL

      http://square.umin.ac.jp/top/kawasaki/Welcome.html

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公開日: 2015-05-28  

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