研究課題/領域番号 |
25290016
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
野口 光一 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (10212127)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 神経障害性疼痛 / マイクログリア / プロスタグランジン / 合成酵素 / Rho / ROCK / p38 |
研究概要 |
慢性疼痛特に神経障害性疼痛モデルの脊髄グリア細胞、血管内皮及びニューロンにおいて、1)障害を受けた末梢神経の脊髄終末部の血管内皮における各種プロスタノイドの各合成酵素の発現動態を詳細に検討する。2)ATP受容体P2Y12,13受容体の細胞内シグナル伝達系の解明、特に低分子G蛋白であるRhoの活性化を中心にその活性化動態を検討する。以上の2点につき、実験を中心的に進め、以下の途中経過の結果が得られている。 1.ラットの末梢神経障害後に、脊髄マイクログリアにおいて、COX-1及びPGD2の合成酵素であるPGD2 synthase及びTXASの合成酵素であるTXA2 synthaseの増加が確認された。これはin situ ハイブリダイゼーション法及び二重標識法により得られた結果である。2.PGD2の受容体が脊髄ニューロンにおいて発現が明らかとなった。また、COX-1阻害剤やDP2の拮抗剤投与により、神経障害性疼痛の痛覚過敏行動が抑制された。 これらの結果は、雑誌GLIAに発表した。 3.末梢神経障害後のマイクログリアにおけるP2Y12/13の下流のシグナルについて精査した。特に細胞外ATPや末梢神経障害がP2Y12/13やROCK (Rho-associated coiled-coil-containing protein kinase)を介して、p38MAPKを活性化するか否かについて検討した。その結果、ROCK阻害剤はp38の活性化のみならず、2Me-SADP投与による痛覚過敏や脊髄マイクログリアの活性化を抑制することがわかった。興味深いことに、ROCK阻害剤は、末梢神経後のマイクログリアの増加を抑制することは出来なかった。 以上の結果は他の結果と合わせて、外国一流雑誌に投稿し、現在Revise中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
既に第1の課題であるPGD2の合成酵素関係のデータは、GLIAに発表することが出来た。これはPGD2がC0X-1支配下にマイクログリアで調節されていることを示す貴重な結果となった。また、その継続部分であるPGIS関係も順調に実験が進んでいる。 第2の課題であるマイクログリアにおけるROCK関係も順調にデータがでて、既に投稿し、レフリーのコメントを得て再実験を行っている状況である。 また、それ以外のArteminに関するプロジェクトも、現在論文作成中である。 以上、おおむね順調に実験及び発表計画は進んでいると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
以下に記す内容について実験を進め、論文作成に向けてデータをまとめる予定である。 1)ROCK関係に関しては、末梢神経障害及び2Me-SADP投与後のマイクログリアの形態学的変化の定量化に取り組む。3次元構築をPC上で行い、各種グリアの形態に関するパラメーターを計測して、これらの因子の形態学的な影響を解明する。2)マイクログリアにおけるPGIS合成酵素やPGI2の受容体、さらにCOX-2発現との関係を形態学的に決定する。さらに阻害剤等を用いて、疼痛過敏への影響を明らかにする。3)Artemin関係に関してはほぼデータは揃っているので、英文論文作成を急ぐ。
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