研究課題/領域番号 |
25290027
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
和田 圭司 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所疾病研究第四部, 部長 (70250222)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | LAMP2 / 脂質 / 核酸 / 脂肪酸 / 情動 / マウス |
研究概要 |
脱ユビキチン化酵素、LAMP2を基軸にしたオートファジー系が直接的・選択的に脂質、核酸など生体分子代謝に関わることを見いだしたので、本研究では、そのメカニズムの詳細を明らかにするとともに、我々の見いだした制御系が高次脳機能発現にどのように関わるのか、その神経回路学的基盤はなにか、について明らかにする。併せて、脂質など生体分子の代謝におけるオートファジーシステムとユビキチンシステムの相互連携、新たな脂質代謝制御機構と不飽和脂肪酸組成の関連性を追求する。 今年度はDNA代謝にLAMP2,特にLAMP2Cが関わることを見いだし、論文報告した。また、LAMP2ノックアウトマウスの解析を行い、脳内においてLAMP2を基軸に高分子量物質が分解制御を受けることを病理形態学的に明らかにした。さらに、LAMP2に相互作用し、その機能に影響する蛋白質の同定を進めた。また、核酸代謝については配列特異的か非特異的かの検証を進めた。さらに関連して食事により脳内不飽和脂肪酸の代謝が影響され、不安様行動に変化が生じることを見いだした。不飽和脂肪酸の構成比が重要であることなど新規の発見があり論文報告した。 今後は食生活など生活習慣と脳機能の関連を明らかにすることで、予防医学の発展に繋がる環境脳科学分野の形成に寄与するとともに、従来と異なる予防・治療の介入ポイントを提示することをめざす。そのため、研究遂行に必要な遺伝子操作マウスを作成中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
細胞生化学的実験においては新規の発見も行われており、予想を上回る成果が上がっている。遺伝子操作動物については開発が遅れており一部の研究が実施できなかった。動物については次年度以降の達成が期待出来ることから総合的に上記の判定と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
モデル動物における生化学的解析と神経回路学的解析を実施し、課題の達成を行う。使用する動物については効率的解析を実行するためマウス以外の短寿命生物モデル(ショウジョウバエなど)も導入する。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度において遺伝子操作動物の作成が計画されており、その費用を確保するため。 モデル動物の作成、飼育等に差額分を支出する。
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